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 インドのテスト専門ベンダー、スタッグ・ソフトウエアは今年9月、システム構築におけるテスト関連のサービスを、独占的業務提携を結んでいるアイ・ブイ・スクエアを介して提供開始する。インドでは、テスト関連サービスのベンダーが20社超あり、スタッグ・ソフトウエアは売り上げ規模で10位以内に入るという。同社のCEO(最高経営責任者)であるTアショック氏( 写真)に、インドのテスト市場や提供するサービスについて尋ねた(聞き手は、森側 真一=日経コンピュータ)。

――なぜインドにはテスト関連サービスを提供するベンダーが多いのか。
 ご存じの通り、米GE(ゼネラル・エレクトリック)や蘭フィリップ、米シスコシステムズなど世界の大企業の多くは、ソフトウエア開発拠点をインドに持っている。5年前から段々とこれらの会社が高い品質を求めるようになってきた。ただ、品質が重要だと分かっても、そのための工数がかかり過ぎるため、テストを専門に引き受けるベンダーにアウトソースするようになった。その需要が指数的に高まり、ベンダーがひしめくようになってきた。

――スタッグではどんなサービスを提供しているのか。
 大きく分けて三つある。実際にテストを実施するサービス、テストを開発工程に組み込むためのコンサルティング、テスト技術の研修サービス、だ。いずれにおいても、重要なのは「製品に対する品質を保証する」こと。これまでは、CMM(Capability Maturity Model)やTMM(Testing Maturity Model)といった「プロセスの品質を保証する」というやり方が一般的に主流だった。これでは、実際に品質が良いかどうかは分からない。スタッグは、種々のテスト技術を組み合わせることで、開発体制や製品に合わせたテスト・プロセスを組み上げる。これまでのテスト経験を基に、方法論「STEM」としてまとめている。

――その手法で品質が高くなることをどう保証するのか。
 バグの数を保証することはできない。しかし実際にバグを検出すれば、品質が高まったことを実証できる。すでに日本の中堅ベンダーから試験的にテストの依頼を受けた。1億円規模のソフト開発において、システム・テストが終わった後に、テストを実施したら、約20個のバグを検出できた。

――顧客のターゲットは、SIベンダーか、それともユーザー企業か
 当面はSIベンダーであり、研修サービスからスタートしていく。しかし本来は、ユーザー企業が品質のオーナーであるべきだ。ユーザー企業からのニーズを期待している。とはいえ、品質に対する保証をだれがするのか、ベンダーがするとすれば品質保証のサービスにいくら払うのか、契約で明確になっていないことが多い。品質保証に対するサービスの価値を判断するためには、もっとバグ数など品質のデータを取って、テストはどのように行われたかなどオープンに情報共有すべきだ。今後、こうした「オープン・クオリティ・ムーブメント」が広まると思う。