ゼンド・ジャパンは,日本IBMのオフコン「System i5」(AS/400)向けに,データベース・アクセスや業務ロジックの記述に強みのあるインタープリタ言語のPHPを用いたWebアプリケーション開発製品群「Zend Products for i5/OS」を順次出荷する。まずは2006年8月末に,PHP言語のコア機能や統合開発環境を出荷する。ゼンド・ジャパンのほか,System i5を取り扱う日本IBMの販売パートナを経由して販売する。
Zend Productsは,以下の4製品で構成する。(1)2006年8月末に18万4000円で出荷する「Zend Core for i5/OS」は,PHP言語のコア機能である。System i5で稼働するデータベース・ソフト「DB2 Universal Database」との接続機能などを備える。(2)2006年8月末に7万4000円で出荷する「Zend Studio for i5/OS」は,PHP言語の統合開発環境である。(3)2006年10月に出荷する「Zend Platform for i5/OS」は,Javaアプリケーション・サーバーとの連携機能などを提供する。(4)2006年12月に出荷する「Zend Guard for i5/OS」はセキュリティ対策機能であり,PHPスクリプトの暗号化と中間コードへの変換を実行する。
従来,System i5上でWebアプリケーションを開発する際には,WebSphereなどJavaベースのアプリケーション・サーバー製品群を用いていた。JavaベースのAPサーバーは中・大規模な開発案件には適するが,小規模のWebアプリケーションを素早く開発する用途には適さないというデメリットがあった。
一方,今回出荷するPHP言語の開発環境を用いると,Javaと比較して小規模の開発案件を,より短期間で実装できるようになる。PHPは,PerlやRubyなどと同じインタープリタ言語であり,スクリプトをテキスト・ファイルとして実装できる。特徴は,動的にHTMLを生成するページの中にSQLを用いたデータベース・アクセスを実装するといった小規模なWebアプリケーションを開発しやすいことである。
なお,ゼンド・ジャパンは,System i5上でPHPの利用拡大を目的とした「OpenSource協議会 - System i5」のメンバー企業である。同協議会では,System i5とPHPを用いて,2006年中に20種類の業務アプリケーションを開発する計画を打ち出している。