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高田明社長。名札の裏に1日のスケジュールを張るアイデアを早速取り入れた
高田明社長。名札の裏に1日のスケジュールを張るアイデアを早速取り入れた
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高田社長がアイデアマラソン開始時に社員に発信したメッセージ。向上心や自己実現の意欲を伸ばして欲しい願いを込めた
高田社長がアイデアマラソン開始時に社員に発信したメッセージ。向上心や自己実現の意欲を伸ばして欲しい願いを込めた
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 テレビ通販大手のジャパネットたかた(長崎県佐世保市)はこのほど、社員に「とにかく何かアイデアが浮かんだらすぐにノートに書き留める」活動を実践開始した。年内に社員全員参加で10万件のアイデア出しを目指している。

 高田明社長は、かねてから風土作りの活動を導入する必要性を感じていた。2004年の個人情報漏えい事件をきっかけに、モラル順守や、顧客の視点に立って業務改善に取り組むような主体性を育まなければならないと痛感するようになったからだ。

 「社員の性善説を信じているのは事件以前と変わらない。でも優しく接するだけでは社員は成長しない。厳しい面もなければ、結果として社員を守ることにならないと思うようになった。そこが事件後に一番自分が変わった部分です」と高田社長は振り返る。

 同社はこの1年間で90人社員を採用して20代の若手社員が急速に増加している。社員数は350人を超えた。さらに、高田社長は、ゆくゆくは番組制作の主役の座を降りながら次代へ経営を引き継いでいくことも念頭に置いている。そのためにも「人のために誠実な会社だけが生き残れる」という高田社長の理念を、今こそ、社員全員に浸透させたいという思いが強い。

 まずはコールセンターの社員と数十人ずつ対話の場を持って「お客さんのためにどうするかだけを思って仕事をしていればいい。そうすれば結果的に自分に返ってくる」と直接語りかけるといった研修も事件以来、実施してきた。

 しかし語りかけの研修だけでは、社員の向上心や自己実現意欲を引き出しきれないと悩んでいた矢先に、IMS研究所(現:アイデアマラソン研究所)が提唱するアイデアマラソン活動を知って導入を決めた。社員全員が「IMSノート」を持ち歩いて、「映画館の座席配置はこうしたほうがいい」といった自由なテーマでアイデアを定期的に語り合う。業務改善にこだわらず、まずは質より量にこだわることで、発想の習慣を身に付けようというのが、アイデアマラソンの活動ポリシーだ。

 既に今年6月の開始から1カ月ほどで1万件を突破。年内で10万件突破を目指す。もちろん高田社長ら経営幹部も率先してアイデアを出している。高田社長はその日1日のスケジュール表を社員証の裏に張っているが「これは副社長(高田社長の妻・惠子氏)が発案したものです」と明かす。

 社内の業務改善につながるアイデアは社員が総務部内のアイデアマラソン事務局に申告して予算化する。例えば社員用エレベーター乗り場には節電奨励のポスターを張るといったアイデアを採用した。

※ジャパネットたかたにおける個人情報漏えい以来の改革経緯は、日経情報ストラテジー10月号「改革の軌跡」で詳報しています