インテルは2006年8月25日、報道関係者向けに最新技術動向や新製品情報を紹介する発表会「インテル・クライアント・レギュラー・アップデート」を開催した。
冒頭にインテルの吉田和正共同社長が登壇した。2006年末までには出荷ベースでデスクトップパソコンの75%、ノートパソコンの90%がデュアルコアCPUに移行するとし、CPUのマルチコア化のさらなる推進を強調した。同社は2006年第4四半期(10~12月)にデスクトップとサーバー向けで、CPUコアを4つ搭載したクアッドコアCPUの投入を予定している。
続いて同社マーケティング本部長の阿部剛士氏が、2006年7月28日に発表した新しいCPU「Core 2 Duo」の特徴と、Core 2 Duoを製造するために用いられるシリコンウエハーを披露した。同時に、Core 2 Duoの性能を視覚的に捉えるために同社が新開発した、デモ用のアプリケーション「インテル パフォーマンス・ダッシュボード」を紹介した。
インテル パフォーマンス・ダッシュボードは、車の速度メーターなどに似せた画面に、CPUの種類やCPUコアの数、各種作業を実行した際のCPU使用率を視覚的に表示するアプリケーションだ。画面右の「スタート」ボタンを押すと、画面左にCPUやプラットフォーム名が表示される。
デュアルコアCPUの場合、速度メーターに「エンジン1」「エンジン2」という表示が表れ、各コアの使用率をメーターで示す。速度メーターの下には3色のボタンを配置している。これは、前もってユーザーが選んだ「Windows Media Player」や「Excel」など各種アプリケーションでの特定作業の実行ボタンとなっている。
例えば「Windows Media Playerでハイビジョン画質の動画を再生する」という作業を選択しておき、該当するボタンを押すと、実際にアプリケーションが起動して指定の作業を実行する。3つのボタンに1つずつで計3つの作業を指定でき、同時に3つすべての作業を実行することも可能だ。
作業を実行すると、CPUの総合的な使用率を示す画面中央のメーターが上下する。メーターの色は各作業ボタンの色に対応しており、3つの作業ボタンをすべて押すと、各作業に対してどれだけCPUパワーを使用しているかが3色のメーターで確認できる。
同アプリケーションは量販店向けに配布し、店頭ではCore 2 Duoを搭載したパソコンと、Celeronを搭載したパソコンを並べて両者の性能の違いをアピールする予定だ。実際のデモでは、メモリーやHDDの条件を同じにしたCore 2 Duo T5600(1.83GHz)と、Celeron M 430(1.73GHz)を搭載したパソコンを並べて性能差を比較した。
作業は8Mbpsのハイビジョン動画を再生しながら、134MBのWAV形式の音楽ファイルをWMA形式に変換し、同時に300MBのファイルを圧縮するというもの。Core 2 Duoを搭載したパソコンが80%前後のCPU使用率で3つの作業を同時に処理できていたのに対して、Celron Mを搭載したパソコンはCPU使用率が常に100%の状態で3つの作業を同時に処理することはできなかった。
同社では、量販店だけでなくパソコンメーカーに対しても同アプリケーションを配布するという。メーカー側の意向によっては、出荷するパソコンに同アプリケーションを搭載する可能性もある。量販店の声が大きければ、CentrinoやViivなど各プラットフォームの性能紹介用に、アプリケーションの機能を拡張することも検討している。