日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は9月7日、Itaiumプロセサを搭載した企業向けサーバー製品「HP Integrity」および「HP Superdome」の新機種を発表した。インテルの基幹サーバー向けプロセサ「Itanium2プロセサ9000番台(開発コード名:Montecito)」を搭載しているのが特徴だ。
HPが採用した新しいItanium2は、1プロセサに2コアを搭載したデュアルコア型。一般にデュアルコア化により、シングル・コアに比べ1.5~1.7倍の性能になる。さらにハイパースレッド技術や2次キャッシュ・メモリーを従来の3倍搭載することによって、従来のItanium2に比べ1プロセサ当たりの性能は2倍以上になっているという。
Itanium 2への対応は大きく二通りある。一つは既存機種への新Itanium2の搭載。最上位の「Superdome」や既存のIntegrityサーバー(rxシリーズ)の4モデルが対象となる。Superdomeはビジネス向けのItanium2サーバーとしては最大の64プロセサまで搭載できるため、コア数は最大で128となる。日本HPのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武執行役員は、「Itanum2搭載サーバーは堅牢性と高性能を両立させており、通信事業者などハイエンド市場での販売が極めて順調。その市場で、売り上げ高首位を獲得したい」と意気込む。
もう一つが新たなモデルの投入。エントリ・モデルとして、Itanium2を最大4個搭載できる「rx6600」と、2個搭載できる「rx3600」を追加した。両機種向けに新しいチップセットを開発して、メモリー・モジュール上の二つのチップに障害が発生してもシステムが停止しない、といった堅牢性の機能を強化している。また新チップセットにより、プロセサ・バス帯域幅を33%、メモリー・バス帯域幅を66%向上させた。
rxシリーズは合計7モデルとなった。rx3600とrx2620には、UNIX OSの「HP-UX 11i」をバンドルした価格を設定した。rx3600は、プロセサが1.4GHzのItanium2。2Gバイトのメモリーと73Gバイトのハード・ディスク・ドライブを2基搭載したモデルの場合で、168万円。
なお、HP Integrityサーバーのうち対応製品のユーザーは、プロセサを新しいItanium2にバージョンアップできる。その際には、日本HPが一定額で旧型のItanium2プロセサを買い取る。