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 メインフレーム上のCOBOLアプリケーションなどをオープン化するレガシー・マイグレーションが進む中、縮小すると見られていたCOBOL製品市場が堅調に推移しているという。COBOL製品大手の英マイクロフォーカスで今年5月からCEOを務めるステファン・ケリー氏(写真)に、その動向を聞いた。

---COBOL市場の最近の動向はどうか。

 現在、全世界でCOBOL関連市場(コンパイラや開発・実行環境など)の規模は約2億ドルである。これが今後5年間、ゆっくりと小幅だが伸びていくだろう。

 これまでメインフレーム上にあったシステムのオープン化などに伴い、オープン・プラットフォーム向けの製品が伸びている。当社の場合、既にメインフレーム向け製品の売り上げより、UNIXやLinux、Windows向けの売り上げの方が大きくなっている。日本市場も非常に好調である。

---COBOLが成長を続けられる理由は何か。

 COBOLを次の世代でも利用し続けられるように、開発環境やランタイムの機能強化を続けているからだ。例えば、既存のCOBOLプログラム内のサブルーチンをWebサービス化し、Javaと組み合わせたシステム構築をできるようにしている。言語仕様を拡張しているわけではなく、実行環境を拡張しているだけなので、COBOL85の仕様の枠内で実現できる。

 また、当社は今後2年間に、様々な製品・技術を投入する予定である。例えば64ビット対応製品や拡張セキュリティ・オプションの提供、CICS-Webインタフェースなどをはじめ、Eclipse、Visual Studio 2005と統合した開発環境も出す。

 XMLをネイティブに扱えるCOBOLの次世代仕様「COBOL 2008」も策定中だ。当社の製品は既にこの機能を備えており、これと他社が提案している仕様をベースに検討を進めている。

---どのような顧客がCOBOLを使っているのか。

 当社の顧客では、まず金融機関の基幹系システムに使われるケースが多い。例えばある損害保険会社は、メインフレーム上のシステムを順次Windowsサーバー上に再構築している。その際、COBOLで記述したビジネス・ロジックをメインフレームとWindowsサーバーで共有し、それぞれの環境で実行している。

 また、ERPパッケージを導入した顧客がCOBOLを使うことも多い。既存システムとERPを統合するために連携部分をCOBOLで開発したり、ERPだけでは不足する機能をアドオンしたりするためだ。実は、ワークスアプリケーションズのERPパッケージであるCOMPANYや、PeopleSoftのバッチ処理部分など、ERPパッケージ自体がマイクロフォーカスのCOBOLで開発されていることが多い。そういう場合は特に親和性が高く、統合しやすくなるはずだ。