Webキャッシュ装置の大手である米ブルーコートシステムズは9月12日,都内で記者説明会を開き,今後の事業戦略などを説明した。米国で11日に米ネットワーク・アプライアンスのキャッシュ装置「NetCache」の事業を買収したことを受けたものだ。
買収により,ブルーコートはNetCache側のコンテンツ配信関連の特許や約1500社の顧客を獲得した。「NetCacheと当社のBlue Coat SGと合計すると,Webキャッシュ装置市場では世界シェアの75%を占める」(マット・ヤング アジア・パシフィック担当副社長)。日本では,Blue Coat SGシリーズが主に企業向け,NetCacheが通信事業者などのデータ・センター向けとして受け入れられてきた経緯がある。今回の買収によって,ユーザーのニーズに包括的に応えられるようになったとしている。同社は,買収によってキャッシュ装置市場での地位を揺るぎないものにしたうえで,今後は製品開発の重点をWAN高速化装置やSSL(secure sockets layer)プロキシなど成長性の高い分野に移す。
NetCacheブランドは買収後も一定期間継続し,将来的にBlue Coat SGシリーズに統合していく。「正式なサポート期間は今後詰めるが,製品が寿命を迎えるまでサポートを継続するつもり」(ヤング副社長)。日本にもNetCache専門の技術者を用意するほか,サポート・センターを開設する計画である。