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マンガの電子配信について説明するイーブック イニシアティブ ジャパンの鈴木雄介社長
マンガの電子配信について説明するイーブック イニシアティブ ジャパンの鈴木雄介社長
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右から読む日本的な読み方を意識させるため、翻訳された吹き出しを右から順に表示させるモードもある
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専用のリーダーにはダウンロードした書籍の背表紙を表示して本棚のように見せる「ライブラリ」を用意
専用のリーダーにはダウンロードした書籍の背表紙を表示して本棚のように見せる「ライブラリ」を用意
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 イーブック イニシアティブ ジャパン、京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)、京セラコミュニケーションアジアパシフィック(以下、KCAP)は2006年9月12日、日本のマンガを海外に向けて配信するビジネスを開始すると発表した。KCAPが本拠地を置くシンガポールを拠点に9月19日から配信を開始する。

 開始直後に配信するマンガは計30タイトル100冊。「ベルサイユのばら」(池田理代子著)、「鬼太郎大全集」(水木しげる著)などが含まれる。配信当初は中国語のみの対応だが、「2007年4月までには英語にも対応する予定」(KCAPの河之口達也氏)だという。

 配信されるマンガは、新しく開設する「eBookJapanASIA」からダウンロードして購入できる。閲覧には専用のリーダーが必要になる。ダウンロードしたマンガは別のパソコンで閲覧はできず、印刷もできない。1冊あたりの価格は5.8シンガポールドル(約430円)から。

 決済はクレジットカードおよび「eNets(イーネッツ)」で行える。eNetsはシンガポールで利用されている、ネットでの利用も可能なデビットカード。クレジットカード決済を利用すれば、シンガポール以外からの利用も可能だという。シンガポールから事業を始める理由について、イーブック イニシアティブ ジャパンの村上聡取締役は「アジアの“ハブ”としての役割を持ち、世界中で利用者が多い中国語と英語を公用語にしていること」などを挙げた。

 イーブック イニシアティブ ジャパンは日本国内に設置するコンテンツ配信サーバーの運営、翻訳電子書籍の製作などを担当し、KCAPおよびKCCSはシンガポールにおける販売サイトの運営やサポートを担当する。販売目標は2年で2億円。「2007年4月までには台湾、香港などでもサービスを展開する予定。欧米でのサービス展開も視野に入れている」(KCAPの河之口氏)。配信するマンガも年内に300冊にまで伸ばすという。シンガポールに駐在する河之口氏は、現地における日本マンガの人気について触れた上で「限られたマンガしか手に入らない海外では、電子配信の利用価値を日本よりも認めてもらえるだろう」と説明した。

 イーブック イニシアティブ ジャパンは電子書籍販売サイト「eBookJapan」を国内で運営。現在会員数は25万人、配信しているマンガ書籍は8000点に上る。「売り上げは前年比2~3倍になっている」(イーブックイニシアティブジャパン鈴木雄介社長)という。