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 プロキシ・サーバー大手の米ブルーコートシステムズは9月12日,ストレージ大手である米ネットワーク・アプライアンスからのキャッシュ装置「NetCache」の買収を9月11日に完了したと発表した。同時に,ネットワーク・アプライアンスの既存顧客が保有しているNetCacheを,ブルーコートの主力製品である「Proxy SG」シリーズへ段階的に移行させていくことを骨子とする事業戦略を明らかにした。

 日本では従来,Proxy SGシリーズは主に一般のユーザー企業が,NetCacheは主にデータセンター事業者が導入していた。ブルーコートは今後,このデータセンター事業者に対して,NetCacheからProxy SGへの切り替えを促していく。

 Proxy SGは,暗号化されたウイルスやスパイウエアなどの侵入を防ぐ「SSL(Secure Sockets Layer)プロキシ」や,アクセス可能なWebコンテンツの制御をプロシキ上で行う「オンプロキシWebコンテンツフィルタリング」といった,NetCacheにはないセキュリティ機能を備えている。ブルーコートはこうしたProxy SGの利点を生かして,「ユーザー企業にセキュリティ機能の強化を提案し,NetCache からProxy SGへの移行を進めていく」(米ブルーコートシステムズでアジアパシフィック地域担当副社長を務めるマシュー・ヤング氏)という。ただし,約9カ月をかけて段階的に製品の移行を図るなど,既存顧客のリスクを最小限に抑えるよう配慮する。

 ブルーコートは今後も,NetCacheの販売や24時間体制のカスタマサポート・プログラムを継続する。サポート体制を強化するため,従来の3カ所のサポート・センターに加え,新たに日本にもサポート・センターを設置する。10月上旬までに電話やWebサイトを通じて問い合わせに対応できるようにするという。一方,アジア諸国向けのサポートを担当するマレーシアでは,通常の2倍の要員を配置する。

 ただし,NetCacheの既存顧客がもともと米ネットワーク・アプライアンスと契約していたサポート期間が終了したら,その後はサポートを行わない。そのため既存顧客は,サポート期間終了後に,事実上,Proxy SGに移行するかどうかの決断を迫られることになる。

 プロキシ・サーバー市場でシェア・トップの米ブルーコートは同2位のNetCacheを買収したことで,市場全体の70%以上の顧客を獲得したことになる。同社は今年6月に買収発表して以降,既存顧客へのサポート体制や製品移行戦略などについて検討を重ねてきた。