「(ネットワーク機器を高機能化する)オン・メモリー・データベースは今後,ネットワーク機器への組み込みで急成長する」(日本オラクルで通信・メディア・公益営業本部長を務める関屋剛氏)---。日本オラクルは2006年9月13日,同社の稼ぎ頭のトップ3に入る産業である通信業界とメディア業界に起こっている構造変化と,ITソフトウエアにとってのビジネス・チャンスについて語った。
日本オラクルの目論見によれば,通信事業とメディア事業は現在,通信インフラから課金システムなどのプラットフォーム,さらには顧客向けサービスまでを1社が垂直統合型で提供する従来のプロプライエタリ・システムから,各レイヤー間のインタフェースを標準化して部品を自由に組み合わせられる水平型のオープン・システムへと変貌しつつある。これによりプレイヤーの競争が激化し,サービスの短期出荷やコスト削減などを競うようになる。この結果,業務アプリケーション,データベース,システム間連携ミドルウエアなどの新規需要が生まれる。
同社は特に,NGN特需を受けたネットワーク機器の高機能化に期待をかける。米Oracleが2005年6月に買収した米TimesTenが開発した組み込み用途向けのリレーショナル・データベース管理システム「TimesTen In-Memory Database」の売上が急成長するという。同DBは,半導体メモリー上に配置されることを前提としたDBMSであり,構造を単純化することでメモリー・バッファ処理にかかる負荷を抑えられるといった特徴を持つ。