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カスタマーセンターの様子。190ものブースが整然と並ぶ
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カスタマーセンターを統括する、五月女尚取締役
カスタマーセンターを統括する、五月女尚取締役
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3カ月の無料サポート期間終了後は、有償サポートにユーザーを誘導する
3カ月の無料サポート期間終了後は、有償サポートにユーザーを誘導する
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ユーザーからかかってきた質問の電話に応対しているスタッフ。製品の性格上、ソフトウエアだけでなく、会計業務などの知識も必要となる
ユーザーからかかってきた質問の電話に応対しているスタッフ。製品の性格上、ソフトウエアだけでなく、会計業務などの知識も必要となる
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カスタマーセンターの窓からの眺め。人材を集めにくいという問題はあるものの、景色のすばらしさは南港の利点
カスタマーセンターの窓からの眺め。人材を集めにくいという問題はあるものの、景色のすばらしさは南港の利点
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 弥生は2006年9月15日、製品の電話サポートなどを担当する「カスタマーセンター」(大阪市住之江区)を公開した。通常はコスト部門と考えられがちなカスタマーセンターだが、弥生では全社売り上げの50%以上を稼ぎ出す収益源。「サポートは、製品を販売したあとの重要なアフタービジネス」(五月女尚カスタマーセンター担当取締役)と位置付け、製品への質問に対して回答するだけでなく、製品の新規購入や有償サポート契約の獲得などにつなぐ取り組みを行っている。

 カスタマーセンターのスタッフは約190人。まずは、製品のユーザー登録後3カ月間設けられている無償サポート期間が、ユーザーへのアピールのチャンスという。電話が1回でつながる確率(着信率)を93%に保つなど、サポートの良さをユーザーにアピールし、無償期間後の有償サポートへとつなぐ。

 これに加えて、電話による契約の獲得業務を展開しているのが弥生の特徴だ。無償/有償のサポート期間が終了したタイミングで既存ユーザーに電話をし、契約を働きかける。弥生のサポート契約には、電話による質問の受付のほか、製品の新バージョンを無償で入手できるといった特典がある。「サポートといえば助けてもらうもの、というイメージが根強く、必要ないと考えるユーザーは多い。だがそれ以外にもメリットが得られることが分かると、興味を示してくれる」(五月女氏)。さらに製品購入に関する問い合わせなど、一般的な質問をするためにかかってきた電話も営業活動に結びつける。両者を併せて、18億円ほどの売り上げが上がっているという。

 一方で、問題も抱えている。最大の悩みは、スタッフの獲得が難しいこと。弥生のカスタマーセンターは大阪の南港地区にあり、梅田や難波などの大阪の中心地から30分ほどかかってしまう。通勤に不便ということで「10社以上の派遣会社と契約しているが、6人のスタッフを獲得するのに1カ月以上かかる。非常に厳しい状態」(五月女氏)。オフィスの移転も考えないではないが、南港地区の坪単価は1.1万円と、弥生が本社を構える東京都港区の六本木ヒルズと比較すると約4分の1ほど。低コストでサポート業務を運営するにはこの場所は魅力だという。

 業務ソフトという製品の性格上、時期によって業務量に大きな差が出ることも難点の1つだ。年末調整や確定申告などが続く12月~4月が繁忙期で、そうでない時期の2倍以上の問い合わせが寄せられる。この時期には複数の会社から派遣社員を採用する。だがせっかく教育を施しても、半年後には辞めてしまうという問題がある。さらに製品のラインナップが増え、必要な知識やスキルは年々多様化する一方。「業務の内容が高度すぎて、挫折してしまう人も少なくない」(五月女氏)。

札幌に第2カスタマーセンターを設立へ

 こうした課題を解決すべく、同社は第2カスタマーセンターの設立を予定している。場所は札幌市。多数の人口を抱えながら地場産業が乏しい札幌では市がコールセンター業務の誘致に力を入れているという。「テクニカルな内容を多く含む業務に対応できる人材の質や確保できる人数、人件費などを考慮して、札幌を選んだ」(五月女氏)。設立時期や人数などは未定だというが、人材の安定確保に向けて有効な施策になると考えられる。なお第2カスタマーセンターの設立後も、大阪のカスタマーセンターの運営は継続する。

 また札幌市には、USENやセシールなど、弥生と同じUSEN/ライブドアグループ傘下の企業のカスタマーセンターが集結している。「運営支援や業務連携などのシナジー効果を期待している。将来的には、グループ間統一も視野に入れている」(五月女氏)。

 同時に、カスタマーセンターに寄せられたユーザーの声を閲覧できるポータルサイトを社内で立ち上げる計画も進行中。現在はサポートや開発の担当者しか目にしていない顧客の声を全社員が見られるような仕組みを作り、各自の業務に役立てることを狙っている。