デルは9月12日、ヴイエムウェアが開発したサーバー環境の仮想化ソフト「VMware」のOEM(相手先ブランドによる生産)販売を開始すると発表した。デルの直販サイトを通じて、同社のサーバー製品と組み合わせて提供する。同時に、VMwareを使った仮想化環境の構築支援サービスや教育サービスも用意。導入前のコンサルティングからシステム設計、構築、運用までを支援する体制を整えた。同日から販売を開始。OEMライセンスの販売価格は、「VMware Infrastructure 3スタンダード版」で59万8500円。
デルは、今回のOEM販売開始前から、ヴイエムウェアの販売パートナーが持ち込んだ案件を通じて、VMwareを使った仮想化環境の構築を手がけてきた実績を持っている。「昨年の実績は、プロジェクトの件数にして2けた」(布谷恒和エンタープライズマーケティング本部ソリューション&アライアンスグループマネージャー)という。「引き合いの多さからビジネスになると見込み、今回のOEM販売に踏み切った」(布谷マネージャー)。
構築支援サービスは、デルの技術コンサルティング部門である「デル・プロフェッショナル・サービス事業部」(DSP)が提供する。現在、100人で体制を整えている。同部門は、同社が販売するサーバー機やストレージ装置、OS、データベースソフト、ERP(統合基幹業務システム)などのパッケージを組み合わせて、動作や性能、システムの拡張性などを検証している。VMwareについても同様に検証し、安定して動作、拡張できるシステムを短期間に提供できるようにする。
また、VMwareに特化したサポート体制を強化するため、ヴイエムウェアの認定資格である「VMware認定技術者」(VCP)の取得者を、現在の1人から2006年末までに10人に増強する。さらに、導入後の運用を支援する企業ユーザー向け教育サービス「デル・プロフェッショナル・ラーニング・サービス」の中で、VMware向けプログラムの提供を予定している。