「IBMの仮想化の対象は,CPU,サーバー/ノード,ネットワークやストレージ,複数のサーバーを含むシステム全体」。日本IBM テクニカルサポート システムx アドバンスド・テクニカル・サポートの佐々木 言氏は,9月21日に日経BP社が開催したセミナー「ITproフォーラム 仮想化の全てがわかる一日」の「イノベーションへの道筋(IBM System Agenda)---IBM System x,BladeCenterにおける仮想化技術とオープン化への取り組み」と題する講演で,こう強調した。
佐々木氏はまず,2005年にIBMが発表した指針「IBM System Agenda」で示した(1)仮想化への取り組み(Virtualization),(2)オープン化への取り組み(Openness),(3)イノベーションの実現へ向けた協業(Collaboration)という3つの取り組みのうち,最もプライオリティが高いのが「仮想化への取り組み」と指摘。仮想化には,CPU単位の仮想化,サーバー/ノード単位の仮想化,ネットワーク/ストレージの仮想化,複数のサーバーをまたがるシステム全体の仮想化といったレベルがある,としたうえで「IBMはこのすべてのレベルに対応しており,その狙いはシステム全体の最適化」と語った。
ネットワーク/ストレージの仮想化の例としては,「Cisco Catalyst 6500」とIBMのミドルウエア「Enterprise Workload Manager(EWLM)」の組み合わせを紹介。HTTPサーバー,アプリケーション・サーバー,データベース・サーバーの3層構造のWebシステムの場合,従来の負荷分散ではHTTPサーバーの負荷しか考慮できなかった。それが,Cisco Catalyst 6500とEWLMを組み合わせることで,HTTPサーバーのほかアプリケーション・サーバーとデータベース・サーバーのパフォーマンス・データを基に,最適な負荷分散が可能になるという。
さらに,IBMのシステム管理ソフト「IBM Director」の拡張機能「IBM Virtual Machine Manager(VMM)」で,VMware製品やMicrosoftのVirtual Serverを管理できることを紹介。今後,オープン・ソースのXenもサポートする計画であることを明らかにした。