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 「メインフレームで仮想化を担当していた技術者が今、ブレード・サーバー向けの仮想化技術を開発している。メインフレームの仮想化技術を集約したのがBladeSymphonyだ」。日立製作所のエンタープライズサーバ事業部第二サーバ本部の上野仁Vプロジェクトプロジェクトサブリーダ(写真)は9月21日、「ITproフォーラム 仮想化の全てがわかる一日」で講演でこう語った。

 講演で上野サブリーダは、同社のブレード・サーバー「BladeSymphony」のIPF(Itanium Processor Family)ブレードに搭載した「日立サーバ仮想化機構」について解説した。日立サーバ仮想化機構は、インテルのCPU仮想化技術Intel VTや独自の仮想化ソフト「MLPF(Multiple Logical Processor Feature)」を利用することで、サーバーの論理分割を可能にする。

 日立サーバ仮想化機構の最大の特徴は、論理区画にCPU(コア単位)を物理的に割り当てる「占有モード」と、複数の論理区画間に、複数のCPUを割り当てる「共有モード」の双方が利用できること。共有モードでは複数のブレードにまたがった論理区画を設定できる。例えば、複数のCPUを使う場合、処理能力の35%を一つ目の論理区画に、65%を二つ目の論理区画に割り当てることができる。この場合、処理の負荷状況を見て、動的にパーセンテージを調節できる。同様に、I/O(具体的にはPCIカード・スロット)も占有と共有を選べる。

 上野サブリーダは、日立サーバ仮想化機構以外のBladeSymphonyの機能の概要とその活用例も紹介した。その一つが、待機系サーバーを削減する「相互ホットスタンバイ」である。上野氏は、A~Dの4種類のアプリケーションをそれぞれ別のサーバーで稼働し、各サーバーに待機系サーバーを用意しているケースを例に説明した。相互ホットスタンバイでは、1台のサーバーを二つの論理区画に分けて利用し、本番系と待機系を同居させて運用する。これにより、8台のサーバーで運用していたAからDのアプリケーションを、4枚のブレードに集約できる。日立の実際の価格を基にして、ハード保守料、ソフト・サポート料を含めて考えた場合、約36%の運用コストを削減することができるという。