日立製作所とKDDIは、携帯電話に接続してICタグのデータを読み取る「携帯電話用ミューチップリーダー」の販売を、10月2日に開始する。KDDI技術統括本部技術開発本部の渡辺文夫本部長は、「ICタグを利用したシステムを構築する企業が増えている。このリーダーを武器に法人市場を開拓したい」と意気込む。
リーダーは、携帯電話の背面に装着する(写真)。ICタグから読み取ったデータは、Bluetoothを使って携帯電話に送信する。日立が提供する専用APIを使って、au携帯電話で動作するBREWアプリケーションを開発すれば、ネット上にあるサーバーなどにデータを送信するシステムを構築できる。
「読み取ったデータをサーバーに送る通信回線を用意する必要がなく、いつでもどこでも、ICタグを使った業務を進められる。」と、日立製作所 トレーサビリティ・RFID事業部の井村亮事業部長は、携帯電話にリーダーを組み合わせる利点を説明する。
対応するICタグは、2.45GHz帯の日立製ICタグ「ミューチップ」のみ。読み取り距離は5センチメートル程度である。電源は、単4形乾電池2個を使う。Bluetooth通信機能を搭載したau携帯電話であれば利用できる。
税込み価格は、8万4000円。出荷開始は2007年の3月1日を予定している。