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伊アエスラのマルコ・ビエッツオリCEO
伊アエスラのマルコ・ビエッツオリCEO
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 イタリアのテレビ会議システム・ベンダー,アエスラのマルコ・ビエッツオリCEO(写真)が来日。日本市場へ向けた意気込みと最新の導入事例を披露した。同社はこの市場における世界第4位のベンダー。最近は日本を含むアジア・太平洋地域のマーケットへの注力度を高めている。(聞き手は山崎 洋一日経コミュニケーション

――ビジネス展開の近況を教えてほしい。

 調査会社ウェインハウスによるテレビ会議専用機の日本のマーケット・シェアは,2005年第4四半期は13.9%。2006年第1四半期は18.9%だった。新製品を投入したし,パートナ開拓を担当するエーイー・コミュニケーションズも設立した。

 中国を加えたアジア・太平洋地域の市場が伸びているが,日本も重要なマーケット。日本ではソニーが幅を利かせているが,良い製品であれば競争させてもらえる。ポリコム,タンバーグといったこの業界の大手もいるが,それでもシェアは20%に近づいている。もっと伸びるはずだ。

――本国のイタリアをはじめ,海外では最近どのような使用例があるか。

 最新のものは数週間前。タイの文部省が当社製品の「Pro-S」を130台導入し,地方拠点を含めたコミュニケーションに使い始めた。それからユニセフとのコラボレーションで実現した例としては,喘息を患っているため船上で暮している少年が,当社のテレビ会議システムを使って遠隔教育を受けている。

 本社があるイタリアでは,医療分野でも使われている。現在,病院と15人の患者の自宅を結び遠隔で診察するテスト・プロジェクトが進んでいる。当社には医療用のテレビ会議システムもあり,このテストでは「ViTA」と呼ぶ製品を使っている。心拍数を測って送るような操作も可能だ。日本ではまだ販売していないが,将来そうできればいいと思う。

 それから以前,イタリアで刑務所と裁判所をテレビ会議で結んで裁判に使うという事例を紹介した。実は欧州のある国でも,同様な裁判所と刑務所を結んでのテストが始まっている。

――最新の製品の特徴は。

 昨年9月に発売し,日本では今年3月に発売した「X3」と「X5」だ。X3は5~10人での利用を想定しており,1対1でつないで使う。X5は20人くらいまで使え,話者の方にカメラを向けることが可能。MCU(多地点接続)機能を使うと最大8台まで接続できる。

 定価はX3が60万8000円。X5は91万7000円。価格とパフォーマンスに注目してほしい。デザインも重視した。日本企業はデザインやブランドにこだわると聞いているので,ここも強調しておきたい。