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NTT持ち株会社が実施した14Tビット/秒の伝送実験 111Gビット/秒の光信号を140チャネル多重して80kmの無中継伝送および単一増幅器による160km伝送に成功した。
NTT持ち株会社が実施した14Tビット/秒の伝送実験 111Gビット/秒の光信号を140チャネル多重して80kmの無中継伝送および単一増幅器による160km伝送に成功した。
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 NTT持ち株会社は9月29日,1本の光ファイバで14Tビット/秒の信号を160km伝送する実験に成功したと発表した。それぞれ波長が異なる111ギガ・ビット/秒の光信号を140チャネル多重する技術を開発。2時間のハイビジョン映像であれば140本を1秒で転送できる帯域を確保した。これまでNECやフランス・アルカテルが達成した約10Tビット/秒を抜き,他を大きく引き離してのトップとなった。

 高速化のポイントは大きく四つ。(1)1パルス当たり4値2ビットを判別できる変調方式(通常は2値1ビット),(2)パルスの周波数利用効率を高める符号化方式,(3)1チャネル当たり111Gビット/秒の伝送速度を実現する27.5GHz動作の光送受信器,(4)扱える帯域を4THzから7THzに拡大した光増幅器。このうち(1)と(2)は高速・大容量化手法としては一般的だが,(3)と(4)は新機軸となる。

 特に(4)の光増幅器は,10Tビット/秒級の通信の実用化に際して大幅なコスト削減効果がある。従来10Tビット/秒級の通信では,広帯域を扱うために複数の光増幅器を必要としていた。7THz幅の帯域をまとめて増幅できる光増幅器の開発に成功したことで,長距離伝送時に設置する光中継器の構造の簡略化につながる。

 今後は広帯域に対する需要増を視野に,7~8年後の実用化を目指す。「1パルスで伝送できるデータ量を増やすことも考えている」(NTT未来ねっと研究所 フォトニックトランスポートネットワーク研究部の宮本裕主幹研究員)と言う。