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中学生の競技「ロボットアドベンチャー」。写真は奈良教育大学付属中学校チーム
中学生の競技「ロボットアドベンチャー」。写真は奈良教育大学付属中学校チーム
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小学生の「サッカーゴール」。富山県のサンダーバード23号チームが優勝した
小学生の「サッカーゴール」。富山県のサンダーバード23号チームが優勝した
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 ブロック式のロボット作成キット「レゴ マインドストーム」を使った競技大会「WRO Japan 2006 決勝大会」が2006年10月1日、東京・千代田区の科学技術館で開催された。センサーで地面に描かれた通路に沿って進み、空き缶を運ぶといった難易度の高い競技に、各地の予選大会を勝ち浮いてきた高校生、中学生、小学生の全44チームが挑戦。好成績を残した上位チームは中国・南寧で11月に開催される世界大会への出場権を手に入れた。

 高校生は「シティーエンバイロメント」と呼ばれるライントレースの精度を問われる競技に挑んだ。格子状に並んだ経路に沿って進み、スタート地点から反対側に置かれた空き缶をつかむ。その後は空き缶を運んだまま、元のスタート位置まで戻る。この競技が難しいのは、交差点の手前にシールが張られている場合は、その方向に曲がらなくてはならないこと。このシールの有無は、ロボットの下部に取り付けた光センサーで見分けるのだが、実際はシールをうまく検知できず、進行方向を誤るロボットが多く見られた。進行方向を誤ると、その時点でリタイアとなる。

 13チームが競技に2回挑戦して、ゴールできたのは6チーム。その中でも唯一、2回ともゴールに到達したのが神奈川県立磯子工業高校のリッキー磯工チーム。1回目は27秒。2回目のタイムは20.3秒と更新し、2位のチームに約10秒の差をつけた。チーム最年長の3年生は「センサー読み取りの正確さを極限まで高めた」ことが勝利の秘訣という。実は同チームは2年前に世界大会に参加したものの、昨年は国内大会で敗れてしまった。2年越しの世界大会挑戦でリベンジを狙いたいという。

 中学生の「ロボットアドベンチャー」と名づけられた競技は、経路を進みながら山などの障害物を乗り越え、最後にゴール地点に置かれた風船を割る。最大の難関は「川」と名づけられた障害物エリア。細いブロックが連続で並んでおり、経路を示す黒い線が表示されていないため、進行方向の制御が難しい。競技は19チームが参加して、ゴールに到達できたのは2チームのみだった。奈良教育大学付属中学校チームは33.7秒で走破。このチームは、同じくレゴ マインドストームを使った「FIRST LEGO League」の世界大会でも3位に入賞した実力を持つ。本大会でも見事に優勝を獲得し、11月の世界大会でも「さらに上をめざしたい」と意気込む。横浜市立東永谷中学校のロボットS.K.Uチームは73.2秒でゴールに到達した。

 小学生の競技はピンポン玉をゴールに入れる「サッカーゴール」。スタート地点で複数の玉をロボットに乗せ、シュートエリアに移動して玉を放出する。スタート地点に戻れば、玉を補填することも可能。制限時間は90秒間。スタート地点から左右に遠回りする経路を通ってシュートエリアに移動した場合は、得点が倍になる。このボーナスポイントをうまく利用したのが、富山県から参加のサンダーバード23号チーム。左側の経路を通り、シュートエリアで右側に向いて、本体側面のレールから玉を放出するという、よく考えられた構造となっていた。大量400点を獲得した6年生2人のチームは「うまくいけば500点は取れたはず。次はもっとがんばりたい」とさらなる意欲を見せた。2位以降は340点の同点が3チームあったが、ロボットの重量が軽い順番に、2位が千葉県から参加のウォーターゲートチーム、3位が東京都の玉川学園小学部の銀杏ゲンボウチームとなった。

 こうした競技では、いくら調整を重ねても、実際の会場ではよい成績が残せないことがある。コース上に書かれた経路やマークの微妙な違い、光源の強弱などによってうまくセンサーが働かないためだ。こうした変化に対応するため、本大会では「スピードは速いけど成功するかは五分五分のマシンと、確実にゴールできるロボットの2種類を用意した」(横浜市立東永谷中学校のロボットS.K.Uチーム)という工夫も見られた。国際大会が開催される中国・南寧では言葉の壁もあり、コース状況など情報収集の困難が予想される。国内大会で培った柔軟な対応能力を、国際大会でも生徒たちが発揮することを期待したい。

高校生の「シティーエンバイロメント」。神奈川県立磯子工業高校のリッキー磯工チームは約20秒でゴール