日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2006年10月3日、デザインを一新したインクジェットプリンター新製品を発表した。全12機種をラインアップする。内訳は、プリンターにスキャナー機能を合体させた複合機と呼ぶタイプが7機種、パソコンを使わずに写真印刷が可能なダイレクト機が3機種、小型で写真印刷に特化した写真専用機が2機種。同日より順次出荷を開始する。なお、4機種についてはヨドバシカメラとビックカメラのみの販売となる。
05年モデルからの最大の改良点は操作性。液晶を備えた多くの機種で「Photosmart Express」と呼ぶ、ウィザード式のガイド機能を搭載した。ダイレクト印刷の操作を簡単にするのがねらい。写真データを納めたメモリーカードを差し込むと自動的に起動し、表示される質問に答えていけば最適な設定で印刷できる。また、逆光や赤目など不具合がある写真をボタン一つで補正する「フォトフィックス」機能を搭載する。05年モデル同様、内蔵センサーが用紙の大きさや種類を自動的に検出するこで、用紙サイズの設定を不要にしている。iPodとの連携機能を搭載した機種もある。iPodをUSBケーブルでつなぐことで、iPod内のデジカメ写真を直接印刷できる。
新製品の発売に合わせて日本HPは「見て納得!」「最新モデルがお得!」「使って試せるから安心!」という3つのキャンペーンを開始した。同社は2005年から販売ルートの主軸を量販店から直販サイトに移しており、キャンペーンは直販をさらに促進するための施策。「見て納得!」と「最新モデルがお得!」の対象は、今回発表した全12機種のうち、直販サイトで扱う複合機「Photosmart C 5175 All-in-One」(直販価格は1万9950円)など4機種。「使って試せるから安心!」のみ、ダイレクト機や写真専用機も対象となる。
「見て納得!」キャンペーンは、店頭で実物に触れることが出来ない直販モデルの弱点を解消するためのもの。専用のWebページで申し込めば、購入前に印刷サンプルと本体の実物大写真を写したポスターを配送する。印刷の様子を記録した動画も同サイトにあるので、映像で実際のスピードを確かめられる。
「最新モデルがお得!」キャンペーンはキャッシュバック。旧機種と引き替えることが条件であり、新製品を購入した後、直販価格の約10%程度(1000~3000円)のキャッシュバックが受けられる。旧機種を回収業者に無償で引き取ってもらった後、C3175の場合は1000円、C4175は1500円、C5175は2000円、C6175は3000円が購入者の指定口座に振り込まれる。ヨドバシカメラやビックカメラでプリンターを買うと、10%程度のポイント還元が受けられるのが通例。それに相当する額のキャッシュバックが受けられることになる。
「使って試せるから安心!」キャンペーンは、製品が気に入らなかったときに、30日以内なら返品できる制度。購入時に日本HPが送付するレシートなどを本体と一緒に送り返すと、購入代金を1カ月程度後に指定の口座に返金する。
インクジェットプリンターの新製品はキヤノンとセイコーエプソンという、二大メーカーがシェアの大半を握る。両社は9月26日に新製品を発表したばかり。日本HPは、用紙の検出センサーやiPod連携など両社の製品にはない魅力を携え、直販メインで勝負をかける。どこまで2社のシェアに食い込めるかに注目が集まりそうだ。