米セールスフォース・ドットコムは10月3日,「CRMの未来」と題したプレス向け説明会を開催。提供中のCRM(顧客情報管理)をはじめとする業務用アプリケーションのオンデマンド・サービスについて,特徴や実績などを紹介した。同社には世界65カ国に約2万5000社,50万1000名の顧客がいる。今回は日本のKBC証券会社の導入事例も発表した。
説明に立った米国本社のジム・スティール代表取締役社長(写真)は,「当社の成功は,CRMなどのアプリケーション・サービスと,業務用アプリケーションのプラットフォーム提供サービスの2本柱が支えている」と説明。後者は「AppExchange」というサービス名で提供中だ。日本語で開発・構築されたアプリケーションも48種類あり,簡単に購入できるという。
スティール社長はオンデマンド・サービスの利点として,ワープロのWebアプリケーション・サービス「Writely」(米グーグルが買収済み)を引き合いに出し,「マイクロソフトに競合が出現するような事態を誰が想像したか。オンデマンドだからこうなった。Wordの持つ機能にインターネット経由でアクセスでき,共同作業ができる」と解説した。また自らのサービスを,資源を共有するアパートやマンションと同じ“マルチテナント型”と形容。そのコストや価値を共有し,ユーザーの体験を改善できる長所があると解説した。
セールスフォースの日本法人は9月27日,KDDIのau携帯電話から同社のサービスを使えるメニューを拡張し,より導入しやすい料金体系を加えた。日本法人の宇陀栄次・代表取締役社長は,「ユーザーからは商談の段階で,携帯電話が電話との連動が必須のように質問を受ける」と話し,「携帯電話の法人向けビジネスがものすごい勢いで伸びていると聞いており,よりタイトにビジネスをしていきたい」と期待感を示した。