「今年度の金融業向けビジネスは、昨年度と比べ倍近く伸びている」--日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)は10月10日、記者説明会で金融向けの事業が好調であることを明らかにした。冒頭のコメントは日本オラクルの桑原宏昭 常務執行役員エンタープライズアプリケーション営業統括本部長が語ったもの。

 金融業界自体のIT投資が伸びていることに加え、米オラクルが昨年、傘下に収めたインドのi-flexソリューションズ(i-flex)などのパッケージ・ソフトが好調であることが理由の一つ。日本オラクルは今年度に入り、10人規模でi-flexのパッケージ・ソフト専門の営業チームを発足させるなど、営業体制を強化した。桑原氏によると、今年6月からの新年度に入ってからだけでも、勘定系パッケージの「FLEXCUBE」も1件採用が決まっているほか、内部統制対策としてERPパッケージである「Oracle E-Business Suite(EBS)」の導入が2件あったという。

 今後はさらに、今年度から関係が強化されたOISと共に、CRM(顧客関係管理)ソフト「Siebel CRM」も積極的に提案する。OISの村上智 代表取締役によると、金融業界のCRMへの投資は年5%ずつ増えている。しかしほとんどがパッケージを使っておらず、実に81%が独自アプリケーションを開発している。Siebel時代から蓄積している独自の導入方法論や、業務・業種別のベスト・プラクティスに基づいてライブラリ化したさまざまなビジネス・プロセスを組み合わせることで、「開発期間が2分の1から3分の1になる」(村上氏)という優位性を打ち出していく。