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写真:vProについて説明する,米Intelのグレゴリー・ブライアント デジタル・エンタープライズ事業本部デジタルオフィス事業部長
写真:vProについて説明する,米Intelのグレゴリー・ブライアント デジタル・エンタープライズ事業本部デジタルオフィス事業部長
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 「次の狙いはSaaSだ」---。米Intelの企業パソコン向け新技術「vPro(ヴィープロ)」の将来について,グレゴリー・ブライアント氏はこう説明する。10月11日に都内で開催したvPro発表会のことである。

 同氏はIntelのデジタルオフィス事業を統括する。パソコン運用管理の改善を狙ったvProは今後,Webアプリケーション向けの機能を追加するなど,その守備範囲を広げていく。SaaSはSoftware as a Serviceの略で,Webアプリケーションなどネットを経由して提供するソフトウエアの形態を指す。

 vProの目玉は,「企業のクライアント管理を大幅に改善する機能を搭載した」(インテルの吉田和正共同社長)ことである。電源オフの状態でパソコンの状態をチェック。パソコンの起動,パッチの適用,電源オフといった一連の操作を管理コンソール側からリモートで可能にする(vProの機能を紹介した関連記事vProの考え方を説明した関連記事)。

 今回の発表会では,vProを搭載したパソコンの実機が公開された。今後,NEC,デル,日本ヒューレット・パッカード,日立製作所,富士通,レノボ・ジャパンなどの主要パソコン・ベンダーがvPro搭載パソコンを出荷開始する。

 日立製作所はシステム管理ソフト「JP1」の新バージョンを12月に出荷開始する。vPro向けの機能を搭載したものだ。また,シマンテックはvPro用のウイルス対策ソフトを近々投入する予定という。Intelは2005年末ごろからvProの構想を公表してきており,この発表で結実した格好だ。

 「vPro搭載パソコンを導入することで,ざっくり表現して50%は管理コストを削減できる。あるユーザー企業が試験導入したところ,80%から90%も管理コストを削減できた。OSのパッチ適用作業や復旧作業,トラブル・シューティングなどをオンラインで実施できるからだ。あるシステム・インテグレータでvPro搭載パソコンを使ってもらったところ,OSのパッチ適用にかかる作業時間を85%も短縮できた」。ブライアント氏はvProの機能をこうアピールする。

 vProには今後,「クライアント管理にとどまらず,企業のIT利用に即した機能を追加していく」(ブライアント氏)という。例えば2007年から2008年にかけては,Webアプリケーション向けの機能を追加する。米Intelは9月末に開催した技術者向けイベント「Intel Developer Forum」で,SaaSに最適化したクライアントという意味合いで「SaaS Enabled Client」という考え方を示しており,ブライアント氏は今回,これを日本国内に向けあらためて強調した(IDFのレポート記事)。

 SaaSに対するvPro適用例の一つは,vPro搭載パソコンが備える仮想化支援機能を使うもの。特定のWebアプリケーション用にvPro機能が管理するバーチャル・マシンを用意する。一般ユーザーが手を触れられない領域でアプリケーションを動かし,データの読み書きを実行することで,データの漏えいなどを防ぎつつ安全にアプリケーションを運用できる。

 「パソコンの使い勝手そのままで,シンクライアントがメリットとするセキュリティも確保できる。こうしたハイブリッド型のアプローチが有効だ」とブライアント氏は語る。現在でもVMwareなどの仮想化ソフトを使えば実現可能ではあるが,来年以降に登場するvProの次期版では,こうした使い方を支援する機能が搭載されそうだ。

 Webアプリケーション向けの支援機能はvProの利用形態の一例にすぎない。インテルとパソコン・ベンダーは今後,仮想化支援機能を生かした新しい使い方を提案していく意向だ。バーチャル・マシンそれぞれに特定の機能を持たせ,プロセサ能力をフルに活用するというのが基本的な形態となる。例えば,vProの管理機能が動作するバーチャル・マシン用に,レノボがVoIP(ボイス・オーバーIP)機能を提供する予定という。「仮想アプライアンス(バーチャル・マシン)をメジャーなプラットフォームとして業界に提供していく」(ブライアント氏)。