PFUは2006年10月12日,ソース・コードを書くプログラマなどに向けて,価格52万5000円と高額なコンパクト・キーボード「HHKB Professional HG JAPAN」の受注生産を開始した。アルミニウム削り出しフレームを採用したきょう体や輪島塗を採用したキー・トップにより,使いやすさと可用性を高めた。輪島塗を採用しないモデル「HHKB Professional HG」も価格26万2500円で用意する。
HHKB Professional HG JAPANは,1996年から出荷しているコンパクト・キーボード「HappyHacking Keyboard」(HHKB)の高級版に相当する。きょう体にアルミニウム削り出しフレームを採用して剛性を高めることでキー入力の感触を向上させている。また,60個のキー・トップを,漆器の塗り技術として有名な輪島塗とすることで,漆の特性である抗菌性を備えるとともに,耐久性を高めた。既存製品「HHKB Professional 2」と同様に,キー・スイッチには静電容量無接点方式を採用した。
HHKBは,汎用キーボードとは異なり,プログラマにとっての理想を追求したキーボードである。特徴は,必要のない機能を省いて小型化することによりキーボード本体を持ち歩けるようにしている点,英語配列を基本にControlキーがAの隣にあるなど,UNIX機の操作に慣れたプログラマも違和感なく使えるようキー配列に工夫した点,長時間キーを打っていても疲れないようキー・タッチや形状に工夫を凝らした点---などである。
今回のHHKB Professional HG JAPANプロジェクトに参加した主なプレイヤは以下の通り。(1)輪島塗は,大徹漆器工房(石川県輪島市)が担当する。同社は,天日黒目と呼ぶ昔ながらの方法で漆を自家精製しているという。(2)キー・ボードはRealForce 101などの自社ブランド製品でも有名な東プレが担当。(3)PFUによる直販に加え,東京南青山にある筆記具専門店「Pen Boutique 書斎館 Aoyama」と,東京原宿にある雑貨店「AssistOn」の2店舗が販売を担当する。
輪島塗を採用しないモデル「HHKB Professional HG」は4種類を用意した。既存製品と同様に,キー・トップの刻印の有無のほか,キー・トップの色を白または黒から選べる。