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写真1●WPC TOKYO 2006で講演するミクシィの笠原健治社長
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写真2●大塚製薬が運営するサイトの訪問者数の伸び。mixiとのタイアップ後に急増している
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写真3●スカパーが開設したコミュニティを介して,ユニフォーム画像がmixi内で広まっていった
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写真4●ユニフォーム画像に名前を入れる「職人」が40人ほど集まった
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 ユーザー数570万人のソーシャル・ネットワーキング・サービス「mixi」(ミクシィ)の「コミュニティ」を活用したマーケティングが活発化している。

 コミュニティはmixiの主要機能の一つで,ミクシィの笠原健治社長によると「現在,100万を超えるコミュニティがある。“趣味嗜好のロングテール”を実現している」というもの(写真1)。NTTドコモのようにmixiのコミュニティ運営に失敗し,10日間で閉鎖に追い込まれた例もある。一方で上手に活用した成功例も増えている。10月19日,開催中の「WPC TOKYO 2006」内の講演では,大塚製薬とスカパー・マーケティングが,mixi活用の成功例を紹介した。

二つの公認コミュ開設,自社サイトのアクセス数急増

 大塚製薬のmixi活用は,同社の食物繊維飲料「ファイブミニ」のプロモーションが目的。ファイブミニはマーケティングの予算に限界があり,しかも薬事法があるため広告で直接的な表現を使えないという。そこでWebサイトを活用した口コミ・マーケティングを仕掛ける戦略を打ち出した。

 マーケティングでは自社が運営するファイブミニのWebサイトへインターネットのユーザーをどのように誘導するかが問題だった。この解決策として浮かんできたアイデアがmixiの活用である。同社は7月にmixiとのタイアップを開始した。「実は春のキャンペーン時に,mixiでファイブミニが自発的に話題になっているのを確認していた。そこで夏のキャンペーンではmixiを本格的に使えないかと考えた」(大塚製薬・製品部 オロナミンC・ファイブミニ プロダクトマーケティング マネージャーの井上将司氏)。

 大塚製薬はmixi内に「ファイバー美人大学@mixi_campus」と「体内怪人ファンコミュ!」という二つのmixi公認コミュニティを開設。同コミュニティを通して自社サイトへの誘導を図った。その結果,「1日の訪問者数が100人を切るようなサイトだったが,mixiとのタイアップによって,多い時で6000や5000,平均して3000から4000弱」(井上氏)のユニーク・ユーザーが訪問するようになった(写真2)。

 9月以降は雑誌などのメディアにも広告を出し,現在では訪問者が1日1万人を超えるサイトに成長した。井上氏は「飲料メーカーとしてはWebだけのプロモーションはなかなか難しいが,情報をWebで温めて,それをリーチ・メディア(雑誌やテレビCMなど)へ出すことで爆発的な広がりが得られる」とする。mixiを使うマーケティングで成功するには「コミュニティを作っても企業から一方的なメッセージを出すだけではすぐに飽きられる。コミュニティ参加者が広告だとは分かっていても楽しめる工夫が必要だ」(井上氏)とした。

 大塚製薬は10月からは栄養食品「ソイジョイ」のmixi公認コミュニティも開設。また,同社の栄養飲料「オロナミンC」も「現在はCM展開を中心としているが,今後はmixiともタイアップしたい」(井上氏)としている。mixiから雑誌やテレビCMなどの大型広告へ展開する活動と,大型広告からmixi内の細分化されたコミュニティへ展開する活動の二つを今後のマーケティングの中で実施してゆく考えだ。

mixiコミュニティの新記録打ち立てたスカパー

 スカパー・マーケティング企画営業部の河口祐毅氏は,衛星放送「SKY PerfecTV!」のmixiコミュニティ活用事例を紹介した。

 スカパーは今年開催された「2006FIFAワールドカップ」を契機に視聴者数の増加を狙っていた。そこで全64試合の無料放送や,開催場所のドイツからブログを使った情報提供など,さまざまな取り組みを行った。その一環としてmixiに公認コミュニティ「集え!12番目の選手たち」を開設,「mixiのコミュニティをスカパーの告知媒体として活用できないかと考えた」(河口氏)。

 同コミュニティでは日本代表選手が着るユニフォーム「サムライブルー」の画像を提供,「それをmixiのプロフィール画像として使ってもらうことで,mixi中の友人たちに浸透させ,mixi全体をサムライブルーに染める」(河口氏)ことを狙った(写真3)。

 この際,「『ユニフォームの画像に自分のニックネームを入れよう』という試みも行った」(同)。これはユーザーが画像処理ソフトを使って提供されたユニフォーム画像に名前を描き込み,それをプロフィール画像に設定するというもの。

 ただmixiには,パソコンに詳しくなく,画像処理ソフトをうまく使えないユーザーも多い。すると,画像に名前を入れる作業を代わりに行う「名前入れ職人」と呼ばれるユーザーが約40人ほどボランティアで集まった。「5000人のコミュニティ参加者が職人に名前を入れてもらうという現象が起き,コミュニティがさらに盛り上がった」(河口氏)という(写真4)。

 この職人に名前の記入を依頼する「名前入れ依頼」のトピックには9900件を超える書き込みがあり,これはmixi史上最多の記録となった。河口氏によると,集え!12番目の選手たちのコミュニティは「5月29日の開設後わずか15日間で1万人の参加者を集めた」。これもmixiのコミュニティ参加人数の増加速度で過去最速だった。

 河口氏はmixiのコミュニティを利用したマーケティングで重要なのは,参加者に楽しみを与え,参加者数の最大化を目指すことで,「ブランドの押し付けは成功の近道ではない」と強調。集え!12番目の選手たちのコミュニティも,参加者が増え,コミュニティが盛り上がるまでは,スカパーの名前を出さなかったと手のうちを披露した。