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米オラクルのチャールズ・ロズワット上席副社長
米オラクルのチャールズ・ロズワット上席副社長
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 「膨大な情報を、どのように使い、管理していくかという危機に脅かされているユーザーがよりよくなるためのツールを提供する」。米オラクルでサーバー・テクノロジー・ディビジョンを担当するチャールズ・ロズワット上席副社長(写真)は10月23日(米国時間)、データベース関連の製品について説明した。

 中でも注目を集めたのが、データベース・ソフトの新盤「Oracle Database 11g」のベータ版である。「ユーザーは、製品の検討するとき1年かけることもある。Oracle Database 11gでは、新機能や機能強化するのは、482種類にもなる。ユーザーの環境にあった機能を選択してもらうために、今週中にできる限りの情報を提供する」(ロズワット上席副社長)とし、来年に正式版を出荷する見通しを示した。

 講演の中で発表したOracle Database 11gの新機能で目玉となるのが、グリッド・コンピューティングの強化である。新たに「Grid Control」機能を追加する。これは、グリッド・システム全体を管理するためのもの。「グリッド・コンピューティングには、仮想化とプロビジョニングという二つの機能が必要だが、これまでアプリケーションやストレージに対しては、機能を提供してきた。グリッドをより拡張できるようにするために必要な機能がGrid Controlだ」(ロズワット上席副社長)。

 加えて、性能を向上できるようにエンジンを改良する。10gと11gのベータ版を比較すると、1Gバイトのデータを読み取る速度が30秒から8秒75と約3倍高速化している。また、新たな圧縮技術を使い、容量を3分の2に圧縮する。

 そのほか、強化するデータベース関連製品は、主に7つ。(1)ドキュメント・ファイルや画像などのコンテンツ・ファイルを管理する「Content Database」と「Record Database」、(2)旧シーベルシステムズのビジネス・インテリジェンス・ソフトをベースとした「Business Intelligence Enterprise Edition」、(3)Webレポーティングのアプリケーションをウィザード形式で短時間に開発できる「Application Express」、(5)経営情報などを示すダッシュボードの中に、地図を組み込み、地図上のポイントに情報を付加できるようにする「Map Viewer interMedia Spatial Database」、(6)ポリシー・ベースで自動的にシステムの性能を監視できるようにる「Oracle Enterprise Manager 10g R3」、(7)データベースの運用管理者(DBA)が情報漏洩できないようにアクセス制限する「Database Vault」や、DBAの操作履歴を管理する「Audit Vault」---である。