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写真1●Oracle WebCenter Suite
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写真2●トーマス・クリアン上級副社長
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 米オラクルは10月24日(米国時間)、Ajaxを用いてポータル・ソフトを拡張した製品「Oracle WebCenter Suite」を発表した(写真1)。「対話するような形で、ユーザーが必要な情報を取得できるようにする」。オラクルでサーバー・テクノロジー・ディビジョンを担当するトーマス・クリアン上級副社長は、米国サンフランシスコで開催されているOracle OpenWorld 2006の基調講演でこう語った(写真2)。

 Oracle WebCenter Suiteの特徴は、ユーザー・インタフェースにAjax技術を採用していること。ユーザー自身がインタフェースを変更することが容易になる。また、JSR 168やJSR 170、JSF、WS-Securityといった標準技術にも準拠している。「ユーザー・インタフェースを開発できる環境でもあり、将来的にはOracle Fusion Applicationsのユーザー環境ともなる」(クリアン上級副社長)。Oracle Fusion Applicationsは、オラクルがこれまで買収した旧ピープルソフトや旧シーベルのアプリケーション・ソフトなどを統合したもの。2008年をメドに提供開始する予定である。

 クリアン上級副社長は講演のなかで、Fusion MiddlewareのBI(ビジネス・インテリジェンス)ツール「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition 10g Release 3」も発表。複数のデータ・ソースからデータを取得するためのツールを新たに搭載する。ここでも、WebCenter Suiteの技術を生かし、Ajaxベースでユーザー自身がユーザー・インタフェースを変更できる。

 また、オラクルはFusion Middlewareの中でも特にSOAに必要なツールをまとめた「Oracle SOA Suite 10g」の新版であるRelease 3の提供を開始したが、クリアン上級副社長はそれについて、「SOA(サービス指向アーキテクチャ)でエンタープライズ・アプリケーションは劇的に変わる。SOAに必要なミドルウエアやツールをすべてまとめた」と述べる。Release 3では、サービスとしてまとめたアプリケーション群をWebサービスとしてレジストリに登録・管理する機能、ビジネス・プロセスのルーティングやワークフロー機能を強化している。

 オラクルでは昨年から本格的に、Javaの標準であるJ2EE(Java2 Enterprise Edition)1.4に準拠するWebアプリケーション・サーバーや統合開発環境、ビジネス・プロセスの実行環境であるBPELツールなどをまとめたミドルウエア群「Fusion Middleware」をSOAの基盤として提供してきた。これについて、「2001年にはゼロに近かったミドルウエア群で、この5年間で3万1000社以上の顧客を獲得できた」(クリアン上級副社長)という。