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 「スナック菓子専業の当社は、ビジネス・モデルが単純でITの活用が簡単。できるだけ活用することで、競争力の源泉にしたい」。カルビーの中田康雄社長は10月25日、日経コンピュータが開催した創刊25周年記念セミナーでこう述べた。

 セミナーは中田社長と北海道の地銀、北洋銀行の高向巌会長との対談形式。中田社長は情報システム室長の経験があり現在もCIO(最高情報責任者)を兼務している。高向会長は副頭取時代に北海道拓殖銀行とのシステム統合プロジェクトを指揮した経験を持つ。現在は経営トップを務める両者が、ITやシステム部門に期待することを語り合った。

 中田社長は競争力をつけるためにマーケティング、原料であるじゃがいもの品質管理、顧客窓口の3点でIT活用を進めていることを話した。中でも、じゃがいもの品質管理の向上に、ITが役立つことを期待している。「日照量、雨量、風速、地中温度などをリアルタイムに計測し、その時々に応じた最適な管理を実施したい。この分野で日本は欧米よりも30年ほど遅れているが、何とか追いついていきたい」と抱負を述べた。

 これに対し、高向会長は「金融業は食品メーカーに比べて規制が多く、なかなか新しいことを始めにくい」と応え、「それだけに、システム部門が『ITを駆使すればこんなこともできますよ』といった提案をしてくれることを望む」と語った。「ただ、ITと経営の折り合いをつけるのは難しい。CIOを兼務されていると大変ではないですか」と中田社長に質問した。

 中田社長は「カルビーに人材がいないというわけではありません」と笑顔で答え、「やはりコンピュータが好きだからでしょう。コンピュータは自分の世界を作れるのが楽しい」と語った。高向会長はこれを受け、「今後はシステム部門を経験した社長が増えると思う。システムを知らない経営トップを抱える企業は悲劇ですから。以前のうちのように」と会場の笑いを誘った。

 さらに高向会長は「システムを知らなくても、意思決定と、その決定について説得することは経営トップの仕事」と強調した。その上で、システム部門に対し、「どのくらいリスクがあることかを教えてほしい」と話す。「今の時代『万全を期すまで認めない』とは経営トップも言わない。リスクを見込んでゴー・サインを出すので、包み隠さず言ってほしい。そうでなければ判断ができない」(同)。

 経営トップがITの決断をすることに関して、中田社長も同意。「ITも事業も選択と集中が大事。どこに集中させるかが経営の課題」だと語った。