全日空商事は、この10月から営業支援システムを本格的に活用する。同社は今年4月に新システム「ATLAS」を導入。顧客との取引に関する生データを蓄積してきた。10月からは、営業担当者自らが取引先別・商品別など様々な切り口で取引情報を分析する。まずは、紙パルプと直販事業で活用し、今後は全社に展開していく予定である。
新システムを導入した2事業は、親会社である全日本空輸(全日空)が主な販売先である。紙パルプ事業は、全日空が利用するチケットや紙コップなどの紙資材を輸入している。直販事業は、全日空が機内で販売する商品を扱っている。両事業部合わせて商品点数は1万、調達先が3300社ある。これらを合計60人の営業担当者で管理している。新システムの稼働によって、収益の向上を目指す。例えば、ワインの種別ごとの推移を把握することで、好調であれば輸入量を増やすといった判断を下せるようになる。
営業現場での活用を開始するにあたって、教育体制も整えた。各職場に「キーユーザー」と呼ぶリーダーを合計で6人選定。集合研修を実施した後に、キーユーザーが各職場の利用者に活用方法を広めていく。
従来のシステムでは、事業部単位での粗利益までしか分からなかった。「今は前月比しか出せないが、(前年同月との比較ができるようになる)来年以降は活用が進む」(企画室IT推進チームの小野武マネージャー)と見ている。
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