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ウルシステムズ社長の漆原茂氏(写真左),米Sybase上級副社長のRaj Nathan氏(写真中央),サイベース社長の早川典之氏(写真右)
ウルシステムズ社長の漆原茂氏(写真左),米Sybase上級副社長のRaj Nathan氏(写真中央),サイベース社長の早川典之氏(写真右)
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 「流通業界は20年ぶりの大きな変化を迎えている。サプライ・チェーンの企業間電子商取引の仕組みとして,ポストJCA手順であるXML-EDIが浸透しつつある」---。電子商取引ソフト「UMLaut/J-XML」を出荷するシステム・コンサルティング会社,ウルシステムズの漆原茂社長は2006年10月31日,流通業界が直面しているIT化要請の状況をこう見据え,低価格なシステム製品の需要の高さを強調した。

 従来の流通業界は,1980年に日本チェーンストア協会(JCA)が定めた「取引先データ交換標準通信制御手順」(JCA手順)を専用線経由で使ってきたという経緯がある。これに対して,現在はJEDICOS-XMLと呼ぶ国内流通業界向けのメッセージをebXML(electronic business XML)に基づいてやり取りするXML-EDIが浸透しつつある。受発注だけでなく,物流と決済までのメッセージを定義している。

 流通業界のこうした変化を受け,ウルシステムズは2005年にXML-EDIのためのフレームワーク「UMLaut/J-XML」を出荷した。2006年12月からは,流通業界の生産者が容易に導入できるよう電子商取引機能をオール・イン・ワン・パッケージ化したアプライアンス製品の提供を始める。ハードウエアに,OS,UMLaut/J-XML,RDBMSを搭載した製品である。RDBMSには米Sybaseが開発したAdaptive Server Enterprise(ASE)を採用する。Sybase選択の背景は,「商用DBの信頼性と供給価格の安さ」(漆原氏)だ。価格は850万円からで,今後3年間で100社以上の採用を見込む。

 サプライ・チェーンを構成するプレイヤのうち,生産者企業はXML-EDIを導入するためのリソースやスキルが足りていない,と指摘するのは,オール・イン・ワン製品向けにRDBMSを提供する米Sybase上級副社長のRaj Nathan氏。結果として,商品の物流はスムーズだが,情報が伝達するスピードは企業間によってバラツキが生じてしまう。より多くのプレイヤにXML-EDIシステムを導入するためには,オール・イン・ワン化して導入の手間を省くとともに,低価格で供給しなければならないと見る。

 UMLaut/J-XMLを搭載したオール・イン・ワン製品の販売経路としては,サイベースの顧客も利用する。例えば,流通業界で用いられるPOS端末では,米Sybase関連会社のiAnywhere Solutionsが扱っている軽量DBMSなどを組み込んでいる。こうしたチャネルを利用してサイベースがUMLaut/J-XML製品の紹介をするとともに,ユーザー企業向けの各種セミナーを実施する。

 従来のASEのビジネス・モデルは変えていかなければならない,と分析するのは,サイベース社長兼アイエニウェア・ソリューションズ社長の早川典之氏。氏は,DBMS市場はコモディティ化しており,企業にDBMS本体のライセンスを提供しているだけでは立ち行かなくなると見ている。「パッケージなどへの組み込み用途を狙ったOEM(相手先ブランドによる生産)供給にシフトしていく」(早川氏)。流通業界ではウルシステムズがシェアを取ると分析した上で,他の業界においてもOEM供給を実施して売上のパイを広げる。