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 エフエム東京(FM東京)は2006年11月16日,地上デジタルラジオ放送を12月1日から本格展開させると発表した。同社はデジタルラジオ推進協会(DRP)が東京地区で実施しているデジタルラジオの実用化試験放送で,既にチャンネルを運営している。今回DRPに実用化試験放送の提供エリアを,現在の環状8号線の内側から国道16号線の外側まで広げてもらったうえで,番組内容を充実させることにした。具体的には1日の放送時間を増やすほか,ラジオ番組に併せて出演者の静止画や放送中の楽曲名などをデータ放送で配信したり,スタジオの風景を動画で配信したり,楽曲をダウンロードできるようにしたりする。

 DRPにはニッポン放送や文化放送などFM東京以外のラジオ放送事業者も多数参加しているが,これまでデジタルラジオ放送の実現に向けて奔走したのはFM東京だった。同社が中心になり,総務省やラジオ業界に働きかけるなどして,デジタル化を推し進めてきたのが実情だ。同社を突き動かしたのは,地上波テレビ放送のデジタル化に後れを取ってはならないという対抗心である。