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 「ITガバナンスにおける知識を海外と共有し、ITガバナンスの定着と普及を促進する」。11月17日、ITガバナンスの普及を目的とした「日本ITガバナンス協会(ITGI Japan)」の設立会見で、日本ITガバナンス協会の初代代表を務める青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科特任教授/みすず監査法人の松尾明氏はこう話す。

 ITGI Japanの主な活動内容は三つ。(1)ITガバナンスに関する書籍の翻訳、(2)日本発のITガバメントの紹介、(3)国際会議への参加、である。

 (1)は、2006年内にITガバナンスのフレームワーク(評価基準の体系)「COBIT(Control Objectives for Information and related Technology )」の最新版である「COBIT version 4」や、「IT Control Objectives for SOX Version 2(COBIT for SOX)」の翻訳を手掛ける。COBIT for SOXは、財務報告にかかる内部統制の視点でCOBITの内容を抽出・整理し、米SOX法(企業改革法)対応で必要なIT統制の目標を明確にしたものである。

 今年度内には、経営者がIT投資をする上でのケーススタディ集「VAL IT」なども翻訳する予定だ。すべて無償でWebサイトに掲載する。「ITガバナンスについて調べたくても、これまでは関連文書が英語なのでハードルが高かった。日本語化すれば誰でも手軽に利用きるようになり、日本全体のITガバナンスの向上につながる」(松尾代表)という。

 (2)は、海外のITガバナンスを取り込むだけでなく、従来あまり評価されることのなかった日本発のITガバナンスの情報を発信していくことを指す。「日本には、世界でも通用するITガバナンスを持つ先進企業も多く存在する。その取り組みを世界に向けて発信したい」(松尾代表)。(3)は、国際的なITガバナンスにおける研究・調査活動への参加、および活動の支援をいう。

 ITGI Japanは、個人会員を抱えない組織として、協賛会員と後援会員を募集する。協賛会員にはITガバナンスを業とする企業会員を募集し、後援会員にユーザー企業などを募る。協賛会員から年間会費として、ITGI Japanの運営費を得る。来年4月に、非営利団体として登録する予定である。

 ITGI Japanの母体にあたる米ITGIは、情報システムの監査にかかわる非営利団体「ISACA」から独立する形で1998年に設立された。米ISACAは COBITやCOBIT for SOXなどを作成したことでも知られる。