CADソフトの開発を手がける図研が、拠点間の通信を高速化するためWAN高速化装置を導入、10月に稼働を開始した。CADプログラム本体など、大容量データ・ファイルの転送速度改善を目指したもの。
同社は2005年にサーバー集約のためにネットワーク環境を見直し、2005年11月にそれまで使っていた1Mビット/秒のATM回線を100Mビット/秒のインターネットVPNに置き換えた。データベース・アクセスなどの作業は高速になったものの、「CADソフトの転送などデータ量の大きなファイル転送時間には改善が見られず、ユーザーの不満が高まっていた」(図研 管理本部総務人事部情報システム課の鈴木啓治課長)。
そこで一番通信量が多い名古屋支社と、本社がある横浜地区の通信速度改善を図るため、名古屋支社にブルーコートシステムズの「SG200」を設置。よくあるWAN高速化装置では対向で設置して、データ圧縮などを活用して高速化するが、「回線の通信速度が太いので、細かな制御は不要だと考えた」(導入を支援した図研ネットウエイブの杉山俊企画部部長)。これにより、約40Mバイトのファイルを転送するのに1回目で1.8倍、2回目以降は30倍近い高速化を果たした。「今後はプログラム配信などにも活用していく」(図研の鈴木課長)。