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エクスペディア ジャパンの代表取締役エリック・ファイゲンバーム氏
エクスペディア ジャパンの代表取締役エリック・ファイゲンバーム氏
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日本における旅行市場の統計数値を示しながら参入意義を語った
日本における旅行市場の統計数値を示しながら参入意義を語った
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 2006年11月29日、旅行予約サイト「Expedia.co.jp」がサービスを開始した(関連記事)。サービス開始当初は海外ホテル予約のみ。予約できる3万3000件のホテルは、競合になる楽天トラベルと比べても2倍以上の品揃えになる。一方で、エクスペディアの代名詞とも呼べる「ダイナミックパッケージ」はサービス開始当初は提供されない。業界最大級の海外ホテル数を誇るエクスペディア ジャパンのエリック・ファイゲンバーム氏にサービス概要と今後の戦略について聞いた。

■ダイナミックパッケージを展開しないのはなぜか。

 まず、将来的には提供を考えていることは当然だ。なるべく早くに立ち上げたいとは考えているが、それがいつになるか、今ははっきりとしたことは言えない。ただ、大切なのは、早さではなく、適切なサービスを適切な顧客に適切なタイミングで供給することだと考えている。特に、日本人は企業が提供するサービスなどについて、最初に何か悪いイメージを持つとそれをなかなか忘れてくれない傾向がある。まずは海外のホテルのみを提供し、それに対する日本のユーザーのフィードバックをしっかり見て、慎重に取り組んでいきたいからだ。

 実際、オーストラリアやイタリアでのサービス開始時もホテル予約のみの提供だった。オーストラリアではサービス開始半年後、イタリアではサービス開始3年後にダイナミックパッケージの提供を開始して成功している。

■例えば、Expedia.comでは東京発のチケットが購入できる。それを考えると、東京発の航空券はExpedia.comをローカライズすれば提供できる、ということにはならないのか。

 そういうことではない。日本でサービスを提供する際は、サプライヤーと日本でのサービスを前提とした契約をしなくてはいけない。我々は、航空券やホテルなどの代理店役になる「GDS(Global Distribution Service)」と契約するのではなく、通常、ホテルや航空会社と直接契約をしている。GDSの力を借りれば現在でも提供できる可能性はあるが、それでは競争力のある価格でユーザーに航空券を提供できない。現在、航空会社などと直接話し合いをしている最中で、航空券に関しては一朝一夕でできるような簡単な契約ではない。そういった契約作業などが必要なので、日本法人という形が必要になる。単なるExpedia.comのローカライズだけではダイナミックパッケージは提供できない。

■Expediaの名前を冠するサービスはアジアでは日本が初めてとなる。なぜ、日本だったのか。

 日本は現在、世界第2位の旅行大国。宿泊料金や現地での買い物など、旅行において消費する金額が他国に比べて圧倒的に多い。2005年の日本人の海外渡航者数は1750万人。これは日本における史上第2位の数値で、今年はこれをさらに上回ると考えている。さらに言うならば、2005年の日本人の個人旅行比率は16.1%、海外旅行をする際のオンライン予約は渡航者の10%を占める。この2つの数値に関しても今年はもっと伸びるはずだ。特に、我々がターゲットとしている個人旅行比率の伸びが顕著。これらの数値に裏打ちされた日本人のポテンシャルに非常に期待していると同時に、日本のマーケットを重視しているからだ。

■日本では既存のジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)、オンラインでは楽天トラベルなど知名度のある旅行代理店はたくさんある。知名度やブランド力の面で不利にはならないだろうか

 よくそのように言われるが、意外とそうではない。事実、ユーザー数を見ると、北米を除いて日本はExpediaを利用しているユーザーが世界で2番目に多い国。つまり、英語や他国語での利用であっても日本人は既にかなりの割合で利用しているということが分かると思う。

 我々には世界で成功してきた実績がある。この1年で全世界の予約総数は3700万件、これは「1秒に1泊」以上の計算だ。ホテルの数も3万3000件と、日本でここまで海外のホテルを網羅したサービスはないと思う。ホテルの情報量や質に関しても画像、動画、エクスペディアの担当者の調査によるホテル情報、などほかではないレベルでサービスを提供できている自信がある。

 サービス開始に当たっては日本語の電話サポートを用意したり、日本人になじみのあるJCBなどのクレジットカードを選べるようにするなど、単なるローカライズではないということも示したつもりだ。こういった点からも、我々のサービスの質は日本のユーザーにも満足してもらえると考えている。ユーザーのニーズに合ったサービスを適切なタイミングに提供すれば、ユーザーは必ずついて来てくれると思うし、米国以外に参入する際も後発サービスであっても成功を収めてきた。必ずしも後から参入することが不利になるとは考えていない。

■現段階で、他のサービス会社と比べて価格の優位性はあるのか。

 時期や旅程、ホテルとの契約によっても異なり、日々変化するものであるので一概には言えないが、競争力のある価格で提供できると考えている。