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写真1:実証実験の開始を発表する石原慎太郎 東京都知事(左)と坂村健 東京大学大学院教授(右)
写真1:実証実験の開始を発表する石原慎太郎 東京都知事(左)と坂村健 東京大学大学院教授(右)
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写真2:実験で参加者に貸し出す「ユビキタス・コミュニケータ」
写真2:実験で参加者に貸し出す「ユビキタス・コミュニケータ」
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写真3:実験の実施区域は,銀座の中央通りと晴海通り
写真3:実験の実施区域は,銀座の中央通りと晴海通り
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 2007年1月中旬から,東京・銀座でユビキタス・コンピューティングの実証実験が始まる。携帯情報端末と無線ICタグなどを組み合わせて,観光情報を提供する。

 実証実験の名称は「東京ユビキタス計画・銀座」。12月5日,「TRONSHOW2007」会場にて,石原慎太郎東京都知事や坂村健 東京大学大学院教授・YRPユビキタスネットワーキング研究所長らが正式発表した(写真1)。

 この実験では,無線ICタグや赤外線による情報発信装置,無線LANのアクセスポイントを銀座地区の約1万カ所に敷設。実験参加者に貸し出す携帯情報端末「ユビキタス・コミュニケータ(UC)」を近づけると,その場所に応じたコンテンツを画面に表示できるようにする。例えば,近隣店舗の情報や,近隣施設で開催されているイベントの情報などを見せる。

 また,UCのメニューを選んで行きたい場所を指定すると,現在地からの行き方を写真や地図でナビゲーションする(写真2)。静止画や文章だけでなく,動画や音声によるコンテンツも用意するという。

 カメラ機能付き携帯電話でも,実証実験の一部を体験できる。各所に設置する案内表示板には,無線ICタグを埋め込むのと同時に,2次元バーコード「QRコード」を貼り付ける。携帯電話のカメラ機能を使ってQRコードを認識させると,周辺情報をWebページとして表示する。

 実験の基盤となる情報システムには、「ユビキタス場所情報システム」を使う。このシステムは坂村教授が提唱する仕組み「ユビキタスID(uID)」を使ったもの。世界で一つしか存在しない識別番号「ucode」を無線ICタグやQRコードに対して発行し,uIDのサーバーで番号を一元管理。この番号を使って,無線ICタグなどとコンテンツをひもづける。

 UC用のコンテンツ群は,UCの内部メモリに一括保存しておき,場所に応じて表示するコンテンツを切り替える。新しいコンテンツは,無線LANアクセスポイントからUCにダウンロードする。

 店舗など情報提供者は,インターネット経由で最新のコンテンツを専用のサーバーにアップロードする。坂村教授は,「これまでのWebサイトによる情報提供と異なるのは,リアルな空間と結びついていること。宣伝や販促だけでなく,いろいろな使い方が考えられる」とアピールする。

 実験参加者が自宅に帰ってから訪問履歴を確認したり,銀座で見たコンテンツを再度視聴したりできる仕組みも用意する。実験のシステムでは,実験参加者がアクセスしたタグの履歴をデータベースに蓄積。参加者はIDとパスワードを使って,自宅のパソコンからWebブラウザで情報を閲覧できる。

  具体的な実証実験のエリアは,銀座の中央通りと晴海通り(写真3)。地上だけでなく,地下通路も対象にする。将来的には,今回用意した仕組みを銀座地区の情報インフラとしても活用する予定。通常時には観光情報の配信に使うが,災害時には被害の現況や避難経路の情報発信に使うことを計画しているという。

 このシステムは,国土交通省が推進中の「自律移動支援プロジェクト」(公式サイト),東京・上野公園一帯で実施している「東京ユビキタス計画・上野まちナビ実験」(公式サイト),東京・新宿で実施しているユビキタス実験(関連記事)などでも採用されている。

 実験は自律移動支援プロジェクトや東京ユビキタス計画・上野まちナビ実験の流れを汲むもの。東京都や国土交通省が主体として進めており,銀座地区の商店会などから構成する組織「全銀座会」や,YRPユビキタスネットワーキング研究所などが協力する。

 実験への参加方法やUCの貸し出し手順など,より詳細な情報は,東京ユビキタス計画のWebサイトで追って提供するという。

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