ラジコンや模型メーカーの京商は2006年12月9~10日、同社が発売する2足歩行ロボット「マノイ」の競技会「KYOSHOアスレチクス ヒューマノイド カップ」を東京・渋谷区の表参道ヒルズで開催した。競技には22チームが挑戦。表参道という場所だけに、周囲の観客の中には買い物に訪れた一般客の姿も多く見られた。観客はロボットの精密な動きに驚きながらも、歩き、転び、立ち上がるという愛嬌のある動作に暖かい声援を送っていた。
競技は5mの徒競走をする「アスリート種目」。ロボットには発信機を取り付けて、ゴール地点に備えたセンサーでゴールへの到達時間を計測する。ルールでは10秒以上の横歩きは失格。構造上、前方への歩行よりも、横歩きのほうが安定した状態で移動できるが、より人間らしい動作である前方への歩行を重視したという。多くのユーザーは無線により歩行や進行方向の操縦をしたが、一部ではセンサーを使った自立制御でゴールを目指すロボットも見られた。
季節に合わせて、サンタクロースの衣装を着たマノイがクリスマスソングの演奏するデモも実演。バチを持った3台がリズムに合わせて鉄琴を奏でる様子を見せた。サンタの衣装は表参道ヒルズのネクタイ店「giraffe」による製作である。
京商が9月に発売した「マノイ AT01」は、2足歩行ロボットの組み立てキット。サーボモーターの数は17個。拡張性を重視した設計となっており、ユーザーがサーボを追加して軸数を増やすことも可能。価格は14万7000円。
今回の大会の目的は、ユーザーに対して挑戦しながら楽んでもらう場所を提供することにある。同様の取り組みでは、2足歩行ロボット「KHR」シリーズを販売している近藤科学も、サッカー大会を催している。12月3日には東京・秋葉原で第1回目となる「KONDO CUP」を開催した。こうした大会は、先進的なロボットユーザー同士の交流場所となりつつある。新たに購入する初心者を取り込み、ユーザー層を拡大できれば、ホビーロボット市場の盛り上がりが期待できそうだ。