物流システムの研究開発や販売などを手がける日本郵船グループのMTIは,2006年12月20日に無線ICタグの実験施設の開設式を催し,施設を公開した。物流におけるICタグの実用化を目指した実験施設で,東京都大田区の物流センター内に11月24日に開設したものである。
実際の物流倉庫内に設置した実験施設であり,各種のICタグを使った実験を現場に近い環境で行える。パレットやフォークリフトなど現場の機材を使い,ICタグの読み取りなどを実験することにより実用化への課題を解決する。物流の顧客企業にも公開することで,ICタグの利用イメージを浸透させるほか,利用促進にもつなげたい考えである。
開設式では,パッシブ型のICタグを付けた16個のケースを,リーダーで読み取るデモも行った。MTIでは「鉄筋が多く天井が高い実際の倉庫の中で,ICタグを確実に読み取る方法を検証していきたい。顧客企業と共同で現場の検証ができる施設を提供することで,ICタグシステムの普及に弾みを付けたい」(MTI 技術戦略グループ シニア コーディネーターの町田秀仁氏)と説明した。