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KDDIの小野寺正社長兼会長
KDDIの小野寺正社長兼会長
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 KDDIは12月20日,都内で定例の社長会見を開いた。小野寺正社長兼会長は冒頭,17日にシステム障害でモバイル番号ポータビリティ(MNP)の受け付けを停止した件について,「NTTドコモ,ソフトバンクモバイル,代理店各社にはご迷惑をおかけした。ここにお詫び申し上げる」と陳謝した。

 原因は,「新規契約やMNPのポートイン(転入)の申し込みが数多くあり,短時間に集中した。処理能力は十分あると考えていたが,結果的に足りなかった。ソフトバンクモバイルの障害時にチェックさせたが,漏れがあった」とする。障害翌日の18日にはディスクの増設と処理の分散化を図り,現在は順調に稼働しているという。ただし,今週末の23日と24日も申し込みが集中する可能性があるため,さらにハードウエアの増設や処理の見直しで負荷の軽減を図る予定である。春商戦に向けたシステムの増強も検討しており,「早期の信頼回復に努めていきたい」とした。

 質疑応答では,WiMAXへの取り組み,NTTのNGNへの見解,ケーブルテレビ(CATV)会社との提携,MNPの状況などが話題に上がった。

 まず,2.5GHz帯で導入が検討されているWiMAXに関しては,「携帯電話を置き換えるサービスになることはあり得ない。ノート・パソコンにおけるデータ通信など携帯電話と違う用途で,新しい市場を開拓するためのサービス。携帯電話のように全国に設備を置いて展開するようなサービスにはならない。逆に言えば,そのようなビジネスプランは難しい」との見解を示した。とはいえ,「次世代の移動体通信サービスとして必要なものであり,是非やらせてもらいたい。我々であれば干渉問題を解決し,品質を確保した上できちんとしたサービスを提供できる」とアピールした。

 次にNGNに関しては,NTTが本日開始したフィールド・トライアルに対するコメントは避けたものの,通信事業者の網間接続インタフェースである「NNI」に問題があるとの意見を披露した。「現在のNTTのNGNではアクセス網という考え方が一切なくなっている。NTT東西地域会社のそれぞれで接続ポイントが1カ所あるだけ。我々がアクセス網を使わせてもらう際も,NNIを介して接続することになりかねない。これではサービスの自由度が剥奪されてしまう。アクセス網を自前で構築しない限り,NTTのNGNに対抗できる手段がなくなってしまうのではないかと危惧している」と主張する。

 一部報道で話題に上っているCATV会社との提携については,「現状はケーブルプラス電話を中心に提携を結んでいるが,資本提携を含め,いろいろなケースがあり得る。CATV会社との提携で相乗効果を期待できるのは事実だが,今の段階で何か決まっている,動いているという事実はない」とした。さらに「資本提携の場合は,お互いに目指す方向が同じで,提携後に問題が起こらないことをトップ同士できっちり合意した上でないと難しい。十二分に話し合って方向性が一致すればあり得るが,それにはかなりの時間を要する」との考えを示した。

 開始から2カ月が経過したMNPについては「順調な滑り出しとなった。これはお客様に支持された結果」と総括した上で,「実は新規契約があまり減っていない。つまり,MNPを利用せず,電話番号が変わっても構わないとする顧客が想定したよりも多い」との実情を明らかにした。