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米IBMのサンドラ・カーター副社長
米IBMのサンドラ・カーター副社長
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 SOA(サービス指向アーキテクチャ)はアプリケーションが持つ個別の機能をサービスという形でまとめ、サービス同士を連携させてビジネス・プロセスを設計する考え方。米IBMでSOAとWebアプリケーション環境「WebSphere」の製品戦略を担当するサンドラ・カーター副社長(写真)は、「SOAを適用したシステム開発を成功させるには、五つの秘訣がある」と語る。

 まず最初に挙げるのは、SOAでの開発に取り組む顧客企業の姿勢だという。「新しい機会を生み出すような、ビジネスの問題ありきで取り組んでほしい。ITの面からSOAに取り組みたいというのは、やめていただきたい」(カーター副社長)。

 二つ目が「システムの全面的な再構築ありきではない」ということ。「今あるシステムを生かすことを考えてほしい。例えば、汎用機であるSystem zのアプリケーションを、SOAで構築するシステムに組み込むこともできる。ERPパッケージ(統合業務パッケージ)の機能を使いたければ、SAPやOracleなどの製品をSOA対応にすることを考慮すべきだ」(同)。

 そして、三つ目が、「より小さく始める」こと。カーター副社長は「SOAによる開発のスキルを身につけてから、より大きなものに取り組んでほしい」と訴える。四つ目はSOAの導入により、「企業文化が変わる」ということも覚悟すること。「業務とITの関係について、見直す必要がある。例えば、短期間に新しいビジネスを構築することが可能となるが、どの程度活用できるかは企業によって異なる」(カーター副社長)。

 最後が「長期的な視野の策定」だ。「顧客におけるSOAのプロジェクトを見てみると、長期的な視野を持って遂行したケースが成功している。投資に対する見返りもきちんと得られ、ビジネスの面でも優位に立てている」(同)という。

 IBMが現在SOAの分野で力を入れているのが、「業種特化のSOA」だ。IBMは2006年夏に、業種特化のSOAベンダー「ウェビファイ・ソリューションズ」を買収した。「WebSphere Business Services Fabric(WBSF)」というミドルウエアを中核に、ソフト部品群である「ビジネス・サービス」と業務の流れを記述したひな形などで構成している。

 カーター副社長は、「将来的には、再利用可能なビジネス・サービスを活用するのが主流となるだろう。業種特化のSOAはそうした時代を先取りしたもので、IBMはこの分野に注力していく。業種内で一つの企業が採用すると、他の企業も次々と使うようになる」とする。

 日本IBMはWBSFを利用し、保険業界と医療業界から取り組む考えだ。ビジネス・サービスは保険業界と医療業界を対象に約300種。「今後、各業界向けのビジネス・サービスを開発し、拡充していく」(カーター副社長)。

 IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)のアジア・パシフイック アプリケーション・イノベーションサービスのジェフリー・ヴィクリー副社長は、「ウェビファイの製品によって、これまでの課題だったSOAの“カタログ”がそろう。SOAの活用が本格化すれば、顧客システムの開発にかかる期間は数年単位から、2~3カ月や数週間まで短縮していくだろう」との考えを示す。