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写真1 松原聡・東洋大学教授
写真1 松原聡・東洋大学教授
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 菅義偉総務大臣が12月26日に設立を明らかにした通信・放送に関するタスクフォース(関連記事)。タスクフォースは大臣直轄のアドバイザリ組織として,大臣へ助言すると共に,政策立案に参画することになる。

 タスクフォースの中心になるのは,東洋大学経済学部の松原聡教授。松原教授は,竹中平蔵前総務大臣の直轄組織「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇談会)の座長を務めた人物である。郵政民営化を決めた「郵政三事業の在り方について考える懇談会」の委員も務め,民営化や規制緩和を専門にする。そこで本誌では急きょ,松原教授にタスクフォース設立の狙いを聞いた。(聞き手は山根 小雪=日経コミュニケーション

――タスクフォース設立に至ったのは。

 竹中懇談会は6月に報告書をまとめ,与党である自由民主党と「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」を結んだ。通信・放送の法制度の抜本見直しやNTT,NHKの組織改革,通信分野での公正競争の促進といった,通信・放送分野の改革の方向性を固めたものだ。

 既に総務省は,この方向性に沿って新たな研究会を複数立ち上げ,具体的な議論をスタートさせている。現在は既存の研究会に新規の研究会が加わり,近いテーマを複数の場でおいて同時進行で議論している状況にある。菅大臣の心中には,複数の検討組織が連携できているのか,整合性が取れているのかという懸念があったのではないか。また,スピード感を維持していくためにも,複数の検討組織を総括できる大臣直轄のアドバイザリ組織が必要だと考えたのではないだろうか。

――他の検討組織への助言というのは,異例のやり方だ。

 確かにそうだ。既に議論を積み重ねている研究会などに,どういった形で意見を述べていくかは考えなければならない。今までの総務省行政ならば,こういった組織は必要がなかったかもしれない。だが2006年に始まった改革は,これまでの総務省行政の範囲を超えている。だからこそ,アドバイザリ組織が必要になったのだと感じている。

――菅大臣の印象は。

 菅大臣はからは強い熱意を感じている。菅大臣は,総務副大臣として竹中前総務大臣とともに通信・放送改革に取り組んだ経緯を持つ。総務省の監督範囲は非常に広いが,全体を見据えて改革を進めていきたいということで協力を頼まれた。