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Windows Vistaをプリインストールした「Prius」春モデル
Windows Vistaをプリインストールした「Prius」春モデル
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製品発表の記者会見には、多くの報道関係者が詰めかけた
製品発表の記者会見には、多くの報道関係者が詰めかけた
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 日立製作所は2007年1月15日、家庭向けパソコン「Prius」の春商戦向けモデルとして4機種10モデルを発表した。いずれもプリインストールOSにWindows Vista、オフィスソフトにOffice 2007を採用している。発売は1月30日(発表資料)。

 Vistaプリインストール製品の出荷開始に合わせて、春モデルでは独自開発しているAV関連のアプリケーションソフトを改良した。独自開発のテレビ視聴ソフト「Prius Navistation」を、マイクロソフトが開発するAV関連機能の統合ソフト「Windows Media Center」の一部として組み込み、2つのソフトで重複する機能の整理やインタフェースの統一などにより使い勝手の向上を図った。同社の従来モデルでは、Prius NavistationとWindows Media Centerが別々のAV関連ソフトとしてプリインストールされていた。両者のインタフェースが大幅に異なることに加え、DVD視聴や音楽再生など一部機能が重複しており、幅広いユーザーが簡単に使えるものとはなっていなかった。

 同社はここ数年、いわゆるテレビパソコンなどAV関連機能を強化したモデルに特化する戦略を採っており、特段の付加機能を備えない低価格のパソコンはラインアップから外している。しかし市場ではこのところ、テレパソの苦戦が続いている。

 2006年の上半期まではメーカー各社ともテレパソを主軸に据え、テレビ視聴機能をユーザーに訴求することでパソコンの単価上昇を図る狙いがあった。しかし、2006年6月のサッカー・ワールドカップに向けた商戦では、薄型テレビやDVDレコーダーなどに押されて販売が低迷。その後は、東芝の「dynabook AX」など低価格のノートパソコンが販売店の店頭で目立つ位置に置かれるようになった。

 2006年の下半期になると、Windows Vistaの発売を前にした買い控えに備え、低価格ノートの安値販売合戦が熱を帯びてきた。上半期には15万円前後だった低価格ノートが、年末商戦では10万円近辺まで値下がりしたことで、相対的にテレパソの存在感が薄れてきている。加えて、ワンセグ受信機能を備えたモバイルノートパソコンや外付けチューナーに注目が集まったこと、テレパソと価格帯が重なる32型~37型クラスの薄型テレビが大幅に値下がりしたことも災いした。

 足元の状況は悪いものの、日立製作所ではWindows Vistaの発売を機に、パソコン市場のトレンドがテレパソなどの高付加価値品に回帰することを期待する。「今回、マイクロソフトとメーカー各社がWindows Vistaの発表会を共同で開いたように、業界全体でパソコン市場を盛り上げていく態勢を整えている。マイクロソフトがWindows Vistaに込めたメッセージは『デジタルライフスタイル』というもので、AV関連の機能を強く打ち出している。それに呼応して、当社を含むメーカー各社もAV関連機能を拡張・強化していく。単に回復というだけでなく、パソコン市場がさらに伸びていくことを期待している。もちろん現在のパソコン市場が即座に変化するかどうかは分からないが、今後1年くらいの間にパソコン市場は再びAV機能重視の方向に変わってくると思う」(日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ 事業企画本部 担当部長の小林一司氏)。

 パソコン市場における日立のシェア拡大についても、「当社は早くからテレパソに特化し、Priusを『パーソナルデジタルテレビ』と位置付け磨きをかけてきた。今回の春モデルでも、Windows Vistaと独自開発ソフトとを融合させており、ユーザーに評価してもらえると考えている」と意気込む。今回の春モデルでは、2006年の秋冬モデルより強気の5万台の出荷を見込んでいる。