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 「マジカ」という業務分析ツールをご存じだろうか。仕事の流れを短時間で書き出すためのカードである。数種類ある名刺大のカードに普段の仕事を思いつくままに書き出し,決まったルールに沿って並べていくことで,仕事の流れを見える化できる。開発元のスターロジックは2006年1月16日,マジカのイベントを開催し,約1年半ぶりにバージョンアップした新しいマジカをお披露目した。旧バージョンは「おしごとマジカ」という名称だったが,新バージョンは「マジカ!」という。

 仕事の流れの見える化は,仕事の引き継ぎ,新人研修,業務改善といった際には欠かせない。最近,話題になっている「企業の内部統制」も,仕事の流れを把握しないことには始まらない。ただ,仕事を見える化しようとする際には数々の問題がある,とスターロジック代表取締役兼CEOの羽生章洋氏は指摘する。「書き方がわからない」「(メリットがわからないので)面倒くさい」「書く時間がない」「自分の仕事以外はよくわからない」「書いていて飽きる」「役に立つとは思えない」といった問題である。さらに重大な問題としては,人によって一つの仕事をとらえる単位(粒度)がバラバラだという点があるという。

 こうした問題を解決するのが「マジカ!」である。「書きやすく,読みやすく,細かさが揃って,自分の仕事だけ書けばOKで,暇なときにちょっとずつやれる」というのが売り文句だ。羽生氏は新型のマジカ!の特徴として「4コマ・マンガ風にまとめる,ということを強調したい」と語る。従来のマジカは書きやすさを優先していたため,文章をたくさん書かれると読むのがつらくなることがあった。そこで,マジカ!は読みやすさも追求した。項目を軽くしただけでなく,書き込み欄をフキダシ風にした。これで読みやすさは格段に向上したという。「(日本人は)みんなマンガ慣れしているから」(羽生氏)である。

 マジカ!のカードは9種類。仕事の始まりを表すカードは,自発的な場合の「はじまり」と受け身の場合の「わたしへ」の2種類。仕事自体の表現には,自分でやる場合の「はたらく」と人に頼む場合の「あなたへ」の2種類のカードを使う。また,企画や営業,SEといった成果のわかりにくい仕事のために,考えていることを書き込む「かんがえ」カードを用意。ITを使う場合の「システム」カードも用意した。詳しくルールを書いておかなければならないときに,従来のマジカではまとめ用台紙のメモ欄に記述していたが,マジカ!では「くわしく」カードに書き込むように改めた。管理職だと山のようにある「請求書の宛名が間違っていた」「いびつな値引きをしていた」といった例外事項のために,異常系を記述する「こちらへ」カードも用意した。

 最後が,仕事上の不安を書き込む「もやもや」カードである。従来のバージョンでは「大変」カードと呼ばれていたものに相当する。「たいへん」「ひやひや」「もやもや」「いらいら」「こまった」「きになる」の中で該当する項目にチェックを付け,不安の原因と内容を記述する。羽生氏はこのカードのおもしろい使い方も紹介した。ある企業では,大変カードを積み上げておき,1日1枚,いやなことを書き貯めていった。そこから広げていって業務の見える化に成功したという。「いやなことから書いていくというのはすごいノウハウだ」(羽生氏)。

 これら9種類のカードを使い,各自が自分を主人公に一つの仕事につき一つの物語を作っていく。他の人の仕事は考慮せず,あくまで自分の仕事だけを書くのがポイントだ。フローを表現するときは,それぞれの物語のタイトルを書いたカードを,受け渡されるものを表すカードを間にはさんで,順番に並べていく。羽生氏は「従来のマジカでは,ださいフローであってもかっこよくまとめることができた。ところが,マジカ!では長いフローを延々と長く表現できるため,ださいフローはださいくらい長くなる」とこの方式の効果を語る。また,仕事を全部書き出したかどうかを確認するため,登場人物を書き出すカードも用意した。

 マジカ!は2007年1月中にWebで公開する予定だという。まだドキュメントが完成していないためだ。基本的には無料で自由に利用できる。コンサルティングなどのビジネスで使ってもかまわない。ただし,著作権マークは消さないというのが条件。「自分のオリジナルだというフリをして商売をするのはやめてほしい」という。

 このイベントでは,マジカを使ってスターロジックが他社と開発したサービスも紹介された。ビジコムが提供している内部統制支援サービス「ASOBO!」,ソフトシアターが提供している営業プロセス改善サービス「KING!」がある。