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 米IBMは米国時間1月22日、グループウエア「ノーツ/ドミノ」の次期バージョン8の公開ベータ版を2月から提供すると発表した。クライアント・ソフトであるノーツの開発コード名が「Hannover」とされているものだ。製品版の出荷は、2007年半ばを予定する。

 発表は、同日から米フロリダ州オーランド開催している同社の展示会「Lotusphere」で行った。このほか、企業内での情報共有にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用するための「Lotus Connections」、分散した情報を収集する「Lotus Quickr software」を発表した。Lotus Quickr softwareはWeb 2.0の考え方を取り入れているという。既存製品では、インスタント・メッセージの「Lotus Sametime」や、企業ポータル構築の「WebSphere Portal Express」の新版を発表した。

 ノーツ/ドミノ8の最大の特徴は、個人または複数の社員で取り組む非定型業務のサポート機能だ。「Activities」と呼ぶ。Activitiesを使えば、事前に設定したトピックに対し、関連するメールやチャット、ドキュメントなどをノーツのウィンドウに表示し、メンバー間で情報共有できる。トピックの例としては、「新製品の企画」などが挙げられる。

 電子メールの基本的な機能も強化する。送信したメールを後から取り消すことができる「Message Recall」、最近やりとりしたメールやチャットを一覧できる「Recent Contacts」がそれだ。メールの取り消しは、社内など特定のノーツ/ドミノのユーザー間に限られる。

 オフィス・ソフトにおけるデータ形式の国際標準「ODF(オープン・ドキュメント・フォーマット)」にも対応した。ODFは、オープンソースのオフィス・ソフト「OpenOffice.org」のデータ形式を基にしたデータ形式で、標準化団体のOASISが推している。IBMは「追加コストなしに、文書や表計算シートを扱うことができる」としている。ODFはマイクロソフトのオフィスのファイル形式と“競合”の位置付けにある。

 クライアントであるノーツ8は、Windows、Mac OS、Linuxに対応。サーバーであるドミノ8は、Windows、Linux、Solaris、IBMのpSeries(AIX)とiSeriesとzSeriesそれぞれのプラットフォームで稼働する。