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HP Integrity サーバ rx2660の前面
HP Integrity サーバ rx2660の前面
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 日本ヒューレット・パッカードは1月24日,中小規模向け低価格UNIXサーバーの新機種「HP Integrity サーバ rx2660」の販売を開始した。Itanium 2プロセッサ・ベースのシステムでRISCプロセッサ・ベースのUNIXからの移行などを狙う。価格はOSなどを含めて52万5000円などから。この価格帯ではWindowsやLinuxサーバーとの競争も激しいが,同社は「UNIXには信頼性・安定性が期待されている。データベース用途ではユーザーはUNIXを使い続ける」(榎本敏之 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部ビジネスクリティカルサーバ本部本部長)と見ている。

 日本HPによると最近では,同社のUNIXサーバーの新規出荷分の約75%がItanium 2搭載のIntegrityサーバという。rx2660は,この流れを進めるとともに,他社のRISCベースのUNIXサーバーからの移行需要を狙っている。同社が独自に実施したUNIXユーザーの調査では今後もUNIXサーバーを使い続けたいという回答者が最も多く挙げた理由は「信頼性・安定性が高い」(38.3%)だった。こうした結果などから,一般に信頼性・安定性を求めるDBサーバーにおいて,UNIX機のニーズが高いと考えている。Itanium 2プロセッサのデュアルコア・サーバー機はRISCプロセッサ・サーバー機に比べてOracle DBのライセンスが有利になることもあり,rx2660についてもDBサーバー用のマシンとしてアピールしていく。

 rx2660のプロセッサは,2種類のデュアルコアItanium 2(動作周波数1.60GHz/L3キャッシュ18Mバイトまたは同1.40GHz/12Mバイト)およびシングルコア・プロセッサItanium 2(1.60GHz/6Mバイト)の合計三つから選択できる。チップセットはHP自社開発のHP zx2。いずれも筐体は2Uのラックマウント型。フロントパネルでサーバーの稼働状況が確認できる「System Insight Display」を採用する。HP zx2チップセットは,これまでのzx1に比べてプロセッサ・バス帯域幅を33%,メモリーの帯域幅を66%それぞれ増やし,高速なDDR2メモリーをサポートしている。信頼性向上では,1ビット・エラーの検出・訂正や二つのDRAMチップに障害があっても稼働を続けられる機能などを盛り込んだ。

 価格は,シングルコアのrx2660-1P1C-QV1が52万5000円(1.60GHzシングルコア×1,1Gバイト・メモリー,36GバイトHDD×1,DVD-ROM,HP-UX 11iv2 Foundation OE プリインストールなど含むバンドル製品)。デュアルコアのrx2660-1P2C-QV1が84万円(1.40GHzデュアルコア・プロセッサ×1,2Gバイト・メモリー,36GバイトHDD×2,DVD-ROM,HP-UX 11iv2 Foundation OE プリインストールなど含むバンドル製品)など。発売を記念して3月末の受注分まで,ハードウエア標準保証「3年間HWオンサイト翌日対応」を「3年間HWオンサイト当日4時間対応」に無償アップグレードするキャンペーンを実施する。

 IntegrityサーバでOracle DBクラスタを機材・コンサルティング・サポート一式とともにまとめて提供するパッケージ製品「HP Simple Cluster Pack」を始めることも明らかにした。検証済みの構成にすることで低価格化,納期の短縮などが可能になる。当初は既存製品のrx3600やrx6600といったサーバーが対象だが,rx2660でも利用可能にする予定。期限なしの特別価格で提供を開始し,rx3600を利用した「Integrity rx3600 ORACLE SEパック」が2900万円など。基本構成に製品を追加する場合は,通常の定価4042万500円をベースに見積もる。