米IBMでロータス事業を統括するマイケル・ローディン ゼネラルマネージャー(写真)が、日経ソリューションビジネス記者とのインタビューに応じた。ユーザー企業の多くが高い関心を抱いているSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)に対しては、「重要なテーマだと認識し、入念にビジネスモデルを研究しているところだが、実施する時期など具体的な方針はまだ決めていない」と慎重な姿勢を見せた。
こうした姿勢である理由は明確だ。Saasはソフトのライセンス販売に比べ、収益性が低いからだ。「SaaSの形態でソフトを提供しているベンダーを研究してはいるが、儲けが少ないと見ている」(ローディン ゼネラルマネージャー)。ライセンス販売からSaaSへとシフトすれば、これまでどおりの成長にブレーキがかかることをIBMは恐れている。
さらに「既存のビジネスパートナーとの関係性の見直しも迫られる。SaaSでロータス製品を提供するかどうかを安易に決めるわけにはいかない」(ローディン ゼネラルマネージャー)。こうした課題はあるものの、ユーザー企業のニーズには逆らえない。現在IBMは、パートナー企業に対するインセンティブや営業方法など「SaaSでソフトを販売する場合にどのようなビジネスモデルが最適なのか、議論しているところだ」(ローディン ゼネラルマネージャー)。こうしたことからもIBMは現時点で開始時期や具体的な方法を明言してはいないが、近いうちにはSaaSの形態でもロータス製品を提供する可能性がある。