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写真1 米エイリアン・テクノロジの新ICタグインレット 形状は従来製品とほぼ同じ。
写真1 米エイリアン・テクノロジの新ICタグインレット 形状は従来製品とほぼ同じ。
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 東レインターナショナルは2月6日、読み取り距離や書き込み速度を向上させた新ICチップ「ヒッグズ(Higgs)」を搭載した、国際規格「Gen 2」対応のICタグインレットを3月に出荷すると発表した。米ICタグメーカー大手のエイリアン・テクノロジが開発したUHF帯対応の製品である。ICタグインレットは、ICチップとアンテナをPETフィルムなどに挟んだもので(写真1)、ICタグシールラベルなど、実際のこん包や個品などに貼り付けられるICタグに加工して販売する印刷会社など向けに販売する。

 ヒッグズは、リーダーから受信する電力が少なくても動作するように低電力化を進めたことで、10m以上の読み取り距離を実現したという。水や金属が近くにあっても読み取りやすくした。「ICタグを水没させた状態でも、数十cmの距離から読める」(米エイリアン・テクノロジCFOのボブ・ユーロー氏)という。これまで水没していても数cm程度の距離から「近距離通信方式」で読み取れるICタグはあったが、エイリアンのICタグは通常の「遠距離通信方式」で読めるため、市販のICタグリーダーをそのまま利用できる。

 書き込み速度も、エイリアン独自のコマンドを実装することにより、他社の製品と比べて最大10倍程度高速にした。Gen 2で規定された書き込みコマンドでは、16ビットずつしかデータを書き込めないが、独自コマンドでは、ヒッグズの最大メモリー容量である160ビットのデータを1回のコマンドで書き込める。ただし高速に書き込むには、エイリアンのGen 2対応リーダーを使う必要がある。

 今回のICタグインレットの単価は「米国内で大量発注があった場合、10セント程度から」(米エイリアン・テクノロジCFOのボブ・ユーロー氏)と安い。ただし、日本での価格は明らかにしない。インレットの形状は、94×11mm、94×44mm、73×43mm、75×75mm(全方向読み取り)などから選択できる。