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 シネマコンプレックス(複合映画館)大手のTOHOシネマズは3月、全国に約30カ所ある劇場の興行管理システムを刷新する。旧ヴァージン系と東宝系で4系統に分かれていたものを統合し、チケットや売店の飲食物の販売情報を一元化する。投資額は10億円前後になる。新システムは、興行管理、物販管理、会員管理、ネットサービスなどの機能を備え、センター系と劇場系の2系統で構成する。

 センター系は、Linux搭載の富士通製IAサーバー「PRIMERGY」とSolaris搭載の同社製UNIXサーバー「PRIMEPOWER」を合計22台採用。データベースはOracle、ストレージは富士通製「ETERNUS」を使う。劇場管理の業務形態が特殊なため、アプリケーションはパッケージを使わず、Javaで独自に開発した。

 劇場系は、チケット販売端末、売店端末、顧客操作型のチケット発券端末など合計約25台前後。画面アプリケーションは、操作性や使い勝手を重視し、マイクロソフトのVB.NETでリッチクライアントとして作り込んだ。

 センター系のサーバーを設置した富士通のデータセンターと各劇場は、通信速度2M~5Mbpsのネットワークで接続。センター系と劇場系のリアルタイム処理を実現した。

 開発は主に野村総合研究所と都築電気が担当し、2005年1月から2年がかりで稼働させた。TOHOシネマズは、3月にオープンする横浜市と千葉県流山市の2劇場を皮切りに、2年がかりですべてを新システムに切り替える。