ソフトバンクは2007年2月8日、2006年度第3四半期(2006年10月~12月)の決算を発表した。会見の冒頭、同社の孫正義代表取締役社長は「携帯電話事業は順調な滑り出し」と切り出したほか、発表の大半を携帯電話事業の説明に費やすなど、同事業への思い入れを示した。
同社の連結売り上げをみると、2006年度の9カ月累計実績は2005年度分にちょうど携帯電話事業を上乗せした形になった。2006年度の連結売り上げは1兆8223億円で、このうち携帯電話事業が1兆85億円を占める。残る8138億円が、ADSLなどのブロードバンド・インフラ事業や固定通信事業、電子商取引事業などである。2005年度は携帯電話事業の買収前であり、総売り上げは8102億円だった。営業利益については1972億円で、前年の279億円に比べて7倍に膨らんだ。
第3四半期に限ってみると、売り上げは7021億円、営業利益は847億円である。このうち移動体通信事業の売り上げは4266億円で、第2四半期の3503億円から2割増えた。
携帯電話事業の実績では、第3世代移動体通信方式への移行が進み、2007年1月末時点での契約比率が42.1%まで伸びたこと、2007年1月単月の純増数が16万4000件に達し、事業者別シェアが43%だったことなど、今回の決算期間には含まれていない数字も引き合いに出しながら、同事業が好調であることをアピールした。2007年1月に発表した基本料が980円のホワイトプランは、既に105万件の契約を獲得したという。
携帯電話事業の買収時に「公約」の1つとしていた基地局数については、目標とした「2007年3月末までに4万6000局」に対して、工事中のものと用地確保分を含める形で4万6000を超えそうだと報告した。内訳は、開局済みが2万6200局、工事中が1万4000局、土地取得のみが5870局である。第3四半期時点での開局済みの数は2万5588局で、第4四半期の開通分は、約600局にとどまる計算になる。