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写真 決算を発表するアッカ・ネットワークスの坂田好男代表取締役社長
写真 決算を発表するアッカ・ネットワークスの坂田好男代表取締役社長
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 アッカ・ネットワークスは2月15日,2006年12月期(2006年1~12月)の連結決算を発表した。売上高は388億2900万円,経常利益19億800万円,当期純利益10億6100万円。今年度から連結財務諸表を作成しているため,前期実績との比較は明らかにしていない。アッカ単体で見た場合は,売上高が前期比4.4%減の388億1000万円,営業利益が同29.5%減の19億2900万円,経常利益が同23%減の19億5700万円で,減収減益となった。

 個人向けサービスの売り上げは,2005年度の343億円から2006年度は314億円に減少した。その一方で,企業向けサービスは57億円から69億円に伸びている。個人向けの売り上げが下がっているため,それを埋めるため今後法人向けを増やしていく方針だ。加入者数も,個人向けサービスは2005年度の124万回線から今期は110万回線に減少したが,企業向けは同41万回線から49万回線に増加。増加分の大半はDSL回線だが,アッカは法人向けに光サービスの対応局舎を増やしていることもあり,「より光へのドライブが進むと期待している」(坂田好男代表取締役社長,写真)。

 また決算説明会では,今後の事業展開も説明した。同社が参入を目指しているWiMAXサービスは横浜などで実証実験をしており,来月からは新潟県魚沼市でも実験を開始する予定。同社がサービスに乗り出す場合の利点としては,(1)複数の通信事業者やISP(インターネット接続事業者)と対等にビジネスを展開する中立性,(2)法人向けADSLなどで実績を持つ高品質なネットワーク運用,(3)既存のモバイル事業とのしがらみがないこと--などを挙げた。

 また単独ではなく複数事業者と提携し,ゆるやかな「WiMAX連合体」を作ってサービス提供する構想や,サービスを実現できた場合のエリア戦略も披露した。「まずデジタルデバイド地域で提供し,地方都市,都市部へと展開(していきたい)」(坂田社長)。デジタルデバイド地域では比較的短期間でサービスを始められるが,都市部では時間がかかることが背景にあるという。それを実現後,地方のCATVなどに電波とネットワーク運用を提供する,あるいはMVNO(仮想移動体通信事業者)に貸し出すケースなどがあり得るとした。

 また映像サービスにも注力していく姿勢を見せた。同社には動画配信プラットフォーム事業や「zoome」と呼ぶ映像コミュニティ・サービスがある。例えば動画配信プラットフォームは,「一般企業のIRや広告,販促」「動画コンテンツ・ホルダーのコンテンツ配信」「動画コンテンツ配信事業者のサービス提供」などをターゲットにしていくという。