KDDIは2007年4月から、日本ユニシスの運用サービス子会社ユニアデックスと提携して「企業向けICTソリューションサービス」の提供を開始する。WANやデータセンター事業といった通信キャリアとしての事業に加え、ハードウエアの運用、LANの監視など運用サービス会社の事業に進出する。顧客窓口はKDDIが一本化して受け持つ。これによりユーザー企業は、複数のサービス会社に対して別々にサービスを依頼する手間を軽減できる。
4月に提供を開始するサービス内容は以下の五つ。「WAN/LAN/サーバー一体構築・運用」、「セキュリティソリューション」、「ICT資産管理ソリューション」、「IPコミュニケーション」、「データセンターソリューション」だ。いずれも、WANからLANまでを一体的にサポートすることで実現する。
新サービスについてKDDIの田中孝司ソリューション事業統轄本部長は、「大手システム・インテグレータがプライム・コンダクタとして入り込めていない中堅・中小企業がターゲット。そうした顧客からは、通信キャリアが窓口になってすべてサポートしてほしいという要望を受けていたが、これまでは他社を紹介するしかなかった。この市場は大きいと考えている。2010年までに回線料金以外のサービス料金で年間200億円の売り上げを見込んでいる」と語る。
一方、ユニアデックスも自社の顧客に対し、全く同じスキームのサービスを提供する。その際は顧客窓口をユニアデックスが担当する。「KDDIとの協業によって、自社の顧客に対して今までよりも高い付加価値のサービスを提供できる」(ユニアデックスの高橋勉社長)。
さらに両社は2008年3月までに、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式で業務アプリケーションの提供を計画している。「当社のNGNサービスを利用し、アプリケーション、固定電話、携帯電話を一体化して提供する」(田中統轄本部長)。