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 マインドは3月1日、同社がかつてオープンソースで公開した業務パッケージ・ソフトにサポートをつけた有償版を発売した。あわせてオープンソース・ジャパンと販売で提携した。マインドの屋代喜一社長は「オープンソースで公開しても、開発者中心の13人の当社社員では知名度向上が難しかったため、販路を持つオープンソース・ジャパンの力を借りることにした」と狙いを語る。

 パッケージ・ソフトは「MosP人事給与 Basic版」で、同社が2006年9月にオープンソース・ソフトとして公開した「MosP人事給与 v1.1」をベースにしている。有償版は、オープンソース版と比べて二つの違いがある。一つはマインドによるサポートがあること。もう一つは安定稼働を重視して「オープンソース版で不安定な挙動がみられた機能を削った」(屋代社長)こと。画面デザインも改善したという。Basic版の価格は39万8000円(税抜き、以下同じ)で、2年目以降の保守料は10万円となる。「有償版そのものよりも、カスタマイズ開発の受注で売上高を上げたい」(同)。

 MosP人事給与の機能は大きく三つ。出退勤を入力する「勤怠管理」、給与や賞与を計算する「給与計算」、人事情報の照会などが可能な「人事管理」である。そのほか「マスタ管理」や「システム管理」を搭載する。サポートの内容は、インストールや運用、操作方法などに対する電話やメールでの問い合わせ対応と、MosP人事給与のアップデート・サービスなど。当面は問い合わせ回数に制限を設けず、「ユーザーの元へ出向くなど、親身になったサポートを提供したい」と屋代社長は話す。

 そのほかのオプションとして、ユーザーがサーバー機をマインドに送るとマインドで必要なソフトを含めてインストールする「導入サービス」(1サーバー当たり10万円から)や、システム管理者を養成する「教育サービス」(1人当たり10万円)を提供する。

 MosP人事給与 Basic版の動作OSは、Red Hat Enterprise Linux、Windows 2003 Server。必要なミドルウエアはすべてオープンソース・ソフトウエアで、WebサーバーのApache、サーブレット・コンテナのTomcat、リレーショナル型データベースのMySQL、Java実行環境のJ2SEなど。

 MosP人事給与は、もともと有償製品として開発・販売していたものを、屋代社長が「日本人が開発した業務ソフトをオープンソースで提供することで日本企業の発展に寄与したい」との思いでオープンソース化した経緯がある。この取り組みが、「日本国内でERPアプリケーションのパッケージベンダー自身による公開は、先進的な取り組みである」としてNPO法人OSCARアライアンスから「2006年オープンソース・ビジネス・アワード」を受賞している。

 オープンソース版のMosP人事給与は現在までに約400回ダウンロードされているという。企業で本格利用されている実績について屋代社長は「まだ耳にしていない」というが、「使い方などの問い合わせが増えている」(同)と、オープンソース化したことの手応えを感じている。屋代社長は「08年度中には会計機能についてもオープンソース化したい」と話す。